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最小のものに学ぶ

フランスの昆虫学者であるファーブルは10巻の昆虫観察記を書いて有名になった。本能にもとづく昆虫の生活を忍耐をもって観察し、実に正確にそして面白く、詩的表現をまじえて書き上げた。聖書の中にも、最小の被造物から私どもが学ぶべき教訓を列挙している箇所がある。旧約聖書の箴言第30:24〜28がそれである。「この地上に小さいものが四つある。それは知恵者中の知恵者だ。」私どももこの最小の先生たちから大事な教訓を教わりたい。

1.蟻。「蟻の一族は強大ではないが、夏の間にパンを備える。」(25節)蟻に備わった本能的な知恵は夏という限られた[時]を知っていることであり、賢明に働いて食料を備蓄することである。同じ箴言6:9〜11には私ども人間への警告が記されている。「怠け者よ、蟻のところ行って見よ。その道を見て、知恵を得よ」。聖書の厳かな招きの言葉「今は恵みの時、今は救いの日」(コリント第二6:2)。「今」という時が果たして生かされているだろうか。

2.岩狸。「岩狸の一族は強大ではないが、その住みかを岸壁に構えている。」(26節)岩狸は原語では「隠れているもの」と言う意味で、夜行性の動物、危険から身を守るために昼間は岩の間に巣を作って住んでいる。「岩狸は岩場に身を隠す」(詩編104:18)弱さを知っている反面、安全な場所、避け所をよく知っている点は学ぶべきではないか。

3.いなご。「いなごには王はないが、隊を組んで一斉に出動する。」(27節)いなごは聖書に数多く出てくる昆虫で、洗礼者ヨハネはこれを食用にしていた(マタイ3:4)。いなごに特定の指導者はいないが、集団をなして組織的に行動する習性をもっている昆虫である。出エジプト記10:1〜11を見ると、神が頑迷なあのエジプトの王ファラオの心を砕くためいなごの災いを下されたことが記されている。「いなごは地表を覆い尽くし、地面を見ることも出来なくなる。」小さいいなごも集団をなして国を襲うとき軍隊以上の威力を発揮する。その隠れた力は一致と組織力にある。「霊による一致」を保つよう努めよう

4.やもり。「やもりは手で捕まえられるが、王の宮殿に住んでいる。」(28節)やもりは指先の吸盤で壁、天井などに捕まることができる。大胆不敵にも王の宮殿にまで侵入してそこを住居とするという。これは私どもに大胆に神に近づく信仰の姿を教えているものではないか。「わたしたちは主キリストに結ばれており、キリストに対する信仰により、確信をもって、大胆に神に近づくことができます。」(エフェソ3:12)

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