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目標をもって生きる

使徒言行録のはじめを見ると、弟子たちは主イエスに大きな質問を提出している。「主よ、イスラエルのために国を立て直してくださるのは、この時ですか」と。復活の主に出会い、その上、聖霊の力の約束を聞いて、つい勇み足になりこんな質問をしてしまったと思われる。長年メシアを待望していた彼らには無理もないことであった。

それに対して主イエスは、教会の進路とその最終ついて、次のよう教えられた。「父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたの知るところではない。あなたがたの上に聖霊がると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地のてに至るまで、わたしのとなる。」(使徒言行録1:7)。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。(マルコ16:15)。「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28:18-20)

主イエスの宣教の目標は、「全世界」、力の源泉は「聖霊」、その通路として用いられるのは「証し人」。使徒言行録は、その記録であり、まさに「聖霊言行録」である。ここで心に留めたいのは、何か特別な伝道の働きや行動に参加することよりも、私たちがまず、主の「証し人」になることを主が求めておられるということである。「身内の人に、主があなたを憐れみ、あなたにしてくださったことをことごとく知らせなさい。」(マルコ5:19)「地の果て」と言っても遠い外国のことでなく、自分がいま置かれている場所であり、証しすべき対象は、身近な人々である。

S.D.ゴルドンは、その著書のひとつに、天使がまさに昇天しようとしておられる主イエスと、世界宣教について対話している光景を想像を巡らして次のように書いている。「わたしはペトロ、ヤコブ、ヨハネ、アンデレ、その他の者たちに、その生涯の事業として一人が次の一人にと言うようにして、遂に世界中がわたしの物語を聞き、その力を感じるにいたるようになるまで、宣べ伝えることを要求しているのだ」と。すると天使ガブリエルは、問いただした。「しかし、主よ、彼らが他の人々に語らなかったとしたら…..一体どうなりますか」。イエスは静かに答えて言われた。「わたしは他の方法をもっていない。わたしはこのような方法しか考えていない」と。

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