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希望に生きる年 

「希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和とであなたがたを満たし、聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださるように。」(ローマ15:13)

その昔、勝手気ままな殿様がいた。久しぶりに、ご機嫌伺いに参上した絵師に、何でもいいから画くように命じた。絵師は恐る恐る絵筆をとって一気に、雁が一羽飛んでいる絵を描き上げた。

ところが殿様は喜ぶどころか、はなはだ機嫌が悪かった。「雁というものはいつも群れを成して飛ぶものだ。それなのにこの絵のように群れを離れた一羽の雁は、不吉で縁起が悪い。」たまたまそこに居合わせた有名な拳骨和尚がつかつかと進み出て、「殿、それは解釈が違います。この絵の心はこうでございます。」と言って、その絵にさらさらと一筆書き加えた。

「初雁や、またあとから、あとからも」

これを見た殿様は急に機嫌を取り戻し、「なるほど、これはめでたい」と喜んだという。

新年として迎えたこの年がどのような年になるか。それはだれも知らない。たとえこの絵の一羽の雁ように見える年月であったとしても、そこにまだ描き出されていないものをみなければならない。信仰の目をもって。私どもにとっても「まだあとから、あとからも」で、神の恵みは実に無尽蔵、計り知れない。

冒頭に掲げたみことばは、使徒パウロの世界宣教への祈りであるが、この祈りを私どもも新年の祈りとし、希望に生きる年として歩み続けたい。

「わたしは、あなたたちのために立てた計画をよく心に留めている、と主は言われる。それは平和の計画であって、災いの計画ではない。将来と希望を与えるものである。」(エレミヤ29:11)

「神は豊かな憐れみにより、わたしたちを新たに生まれさせ、死者の中からのイエス・キリストの復活によって、生き生きとした希望を与え…」(ペトロ第一1:3)

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