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Philip の 続・ちょっといい話

"Adoring Santa"

最近、とても素敵なクリスマスの絵を見ました。サンタクロースが赤ちゃんをじっと見つめている絵です。この赤ちゃんは、もちろん、イエスさまです。クリスマスの主人公はサンタクロースではなくイエスさまです。しかし、一般には、サンタクロースがまるでクリスマスの主人公であるかのように扱われています。この絵を描いた人は、サンタクロースに赤ちゃんのイエスさまを抱かせることによって、クリスマスの本来の主人公がイエスさまであることを訴えようとしたのだと思います。

ソリをトナカイに引かせ、エントツから入りプレゼントを配るサンタクロースは想像の産物ですが、ほんとうのサンタクロースがいなかったわけではありません。昔、トルコにセイント・ニコラスという聖徒がいて、神のしもべとして人々に大きな感化を与えたのですが、サンタクロースはこの人がモデルになっています。ニコラスはその地域の司教でした。司教は赤い服を着、赤い帽子をかぶります。サンタクロースの赤い服は司教の服に起源があると言われています。サンタクロースは、愛と優しさの象徴ですが、それは、神のしもべの姿を表しています。サンタクロースが赤ちゃんのイエスさまを抱いているのは、神のしもべはいつも心にイエスさまを抱いていなければならないことを示しているようにも思います。

また、この絵は、聖書に登場するシメオンといういう人を思い起こさせます。シメオンは正しく、敬虔な人で、キリストを見るまでは決して死なないというお告げを受けていました。母マリヤとヨセフが、生まれて八日目のイエスさまを連れて宮に入ってきたとき、シメオンは、この赤ちゃんこそ救い主キリストだと示され、赤ちゃんを腕に抱き、神さまをほめたたえて言いました。

「主よ。今こそあなたは、あなたのしもべを、みことばどおり、安らかに去らせてくださいます。 私の目があなたの御救いを見たからです。」 (ルカの福音書2:29-30)

サンタクロースは、シメオンのように救いを待ち望むすべての人を表しています。救い主との出会いに、たましいが満足している姿が、この絵に描かれていると思います。

この絵には "Adoring Santa" という題がついています。"adore" という英語には、「あこがれる」「夢中になる」「崇める」「礼拝する」などといった意味があります。サンタクロースはイエスさまを崇め、礼拝しているのです。神さまを礼拝する時は、跪いたり、ひれ伏したりするのが普通です。ところがサンタクロースはイエスさまをその腕で抱いています。私たちが信じ、より頼み、そして、礼拝する神が、私たちの腕に寄りかかり、抱かれているのです。世界中の人々がこぞって崇め、礼拝しなければならない神の御子が、人々の腕の中で優しく微笑んでおられるのです。なんとも不思議なことだとは思いませんか。じつは、ここにクリスマスの秘密があるのです。

誰も赤ちゃんを怖がる人はありません。荒くれ者でさえ、赤ちゃんの笑顔には心がなごむものです。神の御子は赤ちゃんになってこの世に来てくださいました。そしてあなたの腕に抱かれたいと願っておられます。私たちがイエスさまを信頼する前に、イエスさまはあなたを信頼してくださっているのです。これほどに大きな愛があるでしょうか。イエスさまに近づくのに恐れはいりません。シメオンのように、この絵のサンタクロースのように、イエスさまをあなたの腕で抱き、イエスさまを見つめ、イエスさまを崇めれば良いのです。今年のクリスマスが、あなたにとってそんなクリスマスでありますように。

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