Philip's Bookcase |
お会いしたこともなく、ただその著作を通して知っているだけですが、私の尊敬する Donald G. Bloesch も霊性についての本を書いており、IVP Academic シリーズのひとつとして出版されています。表紙をめくると一番はじめに聖書、ルター、シベス、フォーサイス、ロイド・ジョーンズからの引用があり、それから Bloesch の著作一覧、そしてタイトル、出版データ、献辞、目次、謝辞、聖書略号、前書きがあって第一章「序説」がはじまります。全8章は次のような構成です。
1. 序説
2. 霊性の探求
3. 霊性のタイプ
4. 古典的神秘主義
5. 聖書的人格主義
6. 新しい霊性
7. 世界観の衝突
8. キリストと御国のために
Bloesch はこの本編の他に次の五つの興味深い「付録」を書いています。
A. キリスト教神秘主義とグノーシス
B. ニューエイジ運動
C. 未解決の緊張
D. リジューのテレサは福音派の聖徒か
E. 敬虔主義の賛美歌
Bloesch の考察によれば、福音派は敬虔主義を基礎にしており、敬虔主義は古典的神秘主義にそのルートがあるとしています。そして、古典的神秘主義を無批判に受け入れるべきではないこと、また、ニューエイジ運動のような聖書と異質の「新しい」ものを斥けるべきことを論じています。この本のタイトルの Old & New というのは、古典的神秘主義とニューエイジ運動のふたつをさしています。Bloesch のいう聖書的な霊性とは、人間の欲求の満たしではなく、キリストが中心になり、人間のわざによる達成ではなく、福音の恵みへの信頼によって神の国とその義を求め、失われたたましいの救いのために働くことです。神秘主義からも、ペンテコステ運動からも学ぶものがあるが、聖書とその教理、また歴史的啓示から離れた、ただ人々の気分を良くさせるだけの "Warm Spirituality" に気をつけるようにと警告しています。
著者 | Bloesch, Donald G. |
書名 | Spiritualy Old & New |
出版社・出版年 | InterVarsity Press, 2007 |
ISBN | 978-0-8308-2838-8 |