Philip's Bookcase |
私は、書店でこの本を見つけたとき、その魅力的なタイトルにつられて買ってしまいました。「序」は Too Good to Be True?(話がうますぎない?)という題で、語り口も明快で、どんどん読み進んでいきました。祈りの世界からほど遠い現代の人々にも、著者はわかりやすく、信仰の本質と祈りの世界を説いています。ことば遣いはくだけてはいますが、内容的に深いものを持っているのは、カソリックの著者が確かな教理と豊かな祈りの伝統に立っているからだと思います。この本は現代的な装いをもってはいても、取り扱っている内容は、人生の深い問題、とくに苦しみの問題をとりあつかっており、私もたいへん慰められました。副題の Divine Answers to Life's Most Difficult Problems というタイトルに偽りはありませんでした。
神がかならず聞いてくださる祈りとは、この本によれば、
1. 神よ、私にあなたの存在を示してください。
2. 神よ、私を道具にしてください。
3. 神よ、私を気前のよい者にしてください。
4. 神よ、私にこの苦しみを通り抜けさせてください。
5. 神よ、私を赦してください。
6. 神よ、私に平安を与えてください。
7. 神よ、私に勇気を与えてください。
8. 神よ、私に知恵を与えてください。
9. 神よ、この悪い事態から良いものをもたらしてください。
10. 神よ、私を私の定めに導いてください。
の10の祈りです。
著者が選んだ10の祈りは、どれも聖書的、古典的な祈りで、決して奇をてらったものではありません。著者が祈りを10選んだのは、ロザリーの一連が10であることに関連しているのか、この祈りが、ロザリーの祈りに代わって、現代のデボーションとして使われるのかどうかわかりませんが、その可能性がないともかぎりません。
この本にもとづいた祈りのグループのガイドブックは http://www.tenprayers.com/study_guide/images/TenPrayers_StudyGuide.pdf にあります。私は教会の祈り会でこれを使いました。また、著者は、この10の祈りを The Yes Prayer Song という歌にしており、http://www.youtube.com/watch?v=9CVasrGLI9g で聞くことができます。
著者 | DeStefano, Anthony |
書名 | Ten Prayers God Always Says Yes To |
出版社・出版年 | Doubluday, 2007 |
ISBN | 978-0-385-50990-9 |