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Philip の ちょっといい話

人生の結末

 最近引退された牧師が「引退を待たずに途中で辞めていった牧師たちのことを思うと心が痛い」と言っておられました。それを聞きながら、私は、30年、40年と、引退まで牧師を続けるのは大変なことで、神の助けなしにはできないことだと思いました。「終り良ければすべて良し」「有終の美」ということばがあるように、私たちの人生には締めくくりが大切ですが、それができなかった人も大勢いるのです。

 ジョージ・イーストマンといえば、イーストマン・コダック社を起こした人で、彼は念願通り、巨額の富を手にしました。しかし、彼は「私の仕事は終わった。なぜ待つのだ。」というメモを残し、拳銃で頭を撃ち抜きました。マリリン・モンローがネブトールという薬を大量に飲んで死んだ時の新聞には、「一週間に一万ドルの収入があっても、彼女は平安を買うことができなかった」との編集者のコメントが載りました。アーネスト・ヘミングウェーはノーベル文学賞を受けたアメリカの代表的な作家でしたが、彼もショットガンで自殺しました。あれだけの才能も成功も、彼の心を満たすことはなかったのです。

 FMラジオを発明したエドウィン・アームストロング、自動車デザイナーのアーサー・シヴォレー、ワイオミング州知事レスター・ハントなど、みな成功者たちでした。しかし、その人生は、悲しいことに、自殺で終わっています。

 世界的な金融会社を起こしたチャールズ・シュワーブは、会社を倒産させ、彼は死ぬまでの五年間、借金で生活していました。全米最大の鉄鋼会社社長のサムエル・インスルは失意のうちに外国暮らしをしました。世界最大の設備会社社長のリチャード・ウィットニーは刑務所から出て、まもなくしてから死にました。ニューヨーク証券取引所会頭アルバート・ホールも釈放されて、まもなくして死んでいます。

 聖書は、「神のみことばをあなたがたに話した指導者たちのことを、思い出しなさい。彼らの生活の結末をよく見て、その信仰にならいなさい。」(ヘブル人への手紙十三章七節)と教えています。人生を最後まで走り抜いた人々の良い模範にならい、私もまた、最後まで走り抜き、そのことによって、他の人になんらかの励ましを与えることができるよう願っています。

(2003年10月)

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