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Philip の ちょっといい話

アドベント・キャンドル

 感謝祭が終わると、アドベントに入ります。アドベント(待降節)というのは、12月25日のクリスマス(降誕日)の前の四週のことを言い、2006年の待降節は12月4日から始まり、それぞれの週を、「アドベント第一週」、「アドベント第二週」、「アドベント第三週」、「アドベント第四週」と呼びます。今年は、12月24日が日曜日なので、「アドベント第四週」はたった一日しかありません。アドベントに続く12月25日〜27日の三日間は、クリスマスのお祝いの日になります。しかし、近年は、本来のクリスマス・デーよりも、クリスマス・イヴのほうがポピュラーになり、教会でも、クリスマス・イヴのキャンドル・ライト・サーヴィスはしても、肝心のクリスマスには礼拝をしないところが増えました。かく言うサンタクララ教会でもクリスマス礼拝はしていませんので、各家庭で礼拝をささげたり、伝統的な教会のクリスマス礼拝に参加するのも良いかもしれません。

 さて、アドベントには、「キリストのキャンドル」といわれる白いキャンドルの周りに四本のキャンドルを立て、アドベントの第一週からはじめて、順々に、キャンドルを灯していく習わしがあります。第一週目には一本目、第二週目には一本目と二本目、第三週には一本目から三本目まで、そして、第四週には一本目から四本目までのすべてを灯します。そしてクリスマスの日には、真ん中の「キリストのキャンドル」にも点火するのです。そんなわけですから、一本目のキャンドルは、四度も灯されるので、一番短くなり、四本目のキャンドルは、ほんのわずかしか灯されないので、長いまま残ります。このように、長さの不揃いなのが、アドベント・キャンドルの特徴です。

 アドベント・キャンドルには青いキャンドルが使われることもありますが、クリスマスの「典礼色」である「紫」が使われるのが一般的です。「紫」には「悔い改め」や「待望」の意味があります。アドベント・キャンドルのそれぞれは「預言のキャンドル」、「天使のキャンドル」、「羊飼いのキャンドル」、「ベツレヘムのキャンドル」と呼ばれ、それぞれに「希望」、「平和」、「喜び」、「愛」を表わします。第三のキャンドルは「喜び」を表わすので「紫」の色を薄めた「薔薇色」あるいは「ピンク」を使うこともあります。

 キリストは聖書の預言の成就としてお生まれになった私たちの「希望」です。クリスマスに天使が

 「いと高き所に、栄光が、神にあるように。
 地の上に、平和が、
 御心にかなう人々にあるように。」
 (ルカの福音書2:14)

 と言って告げた「平和」は、キリストによって、私たちに与えられます。キリストを礼拝した羊飼いたちが「喜び」に満たされたように、私たちも、キリストによって喜びを味わうことができるのです。それは、ベツレヘムにお生まれになったキリストこそ、神の愛そのものだからです。アドベント・キャンドルの習わしは、聖書から生まれ、聖書が教えるキリストを指し示すものです。みなさんも、アドベント・キャンドルを灯しながら、私たちの「希望」、「平和」、「喜び」、「愛」であるキリストを思いみる一ヶ月を過ごしてみてください。

(2006年11月)

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