Philip's Bookcase |
これはテゼ・スタイルの聖歌集です。南フランスにあるテゼ共同体は、Roger Louis Schurz (Brother Roger, 1915-2005)によってつくられ、そこには、教派をこえて祈りに献身した人々が集まっており、世界中の人々、とくに青年たちに大きな感化を与えています。テゼでの祈りは単純で短い聖歌となって歌われています。賛美はもとは祈りであり、それはメロディをつけた祈りなのですが、テゼの聖歌では、そのことが、そのまま実現されています。テゼでは祈りを聖歌で祈り、テゼの聖歌は祈りそのものなのです。
私は、最近、教会の礼拝での「賛美」が神にささげる祈りであるよりも、ミュージシャンのパーフォマンスとなっていることに心を痛め、「祈りの歌」を探し求めていましたが、この聖歌集は、そのような私の願いにこたえてくれるものでした。
全 135曲は、アルファベット順にならべられており、従来の主題別の聖歌集にくらべて開きやすくなっています。もちろん、主題別の索引もありますので、曲を選ぶのに困ることはありません。全曲を 7枚の CD に収録したアルバムもあります。CD では 20番と 70番がそれぞれ 2曲にわけられています。というのは、このふたつは同じメロディに違った歌詞がついているからです。そんなわけで CD では全 137曲になり、総演奏時間は 6時間 30分におよびます。私は全曲を続けて聴きましたが、南アフリカのメロディで歌われる楽しい聖歌もあり、決して飽きることはありませんでした。
書名 | Hear the Prayers That Rise: A Music Resource for Contemplative Player |
出版社・出版年 | OCP, 2006 |
情報 | www.ocp.org/products/20213 |