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Philip の ちょっといい話

ヤベツの祈り(その一)

 ブルース・ウィルキンソンという人が書いた『ヤベツの祈り』という本がベストセラーになっています。最近本屋さんにいきましたら、『ヤベツの祈り』の本と一緒に、ヤベツの祈りのプラークやブックマークなど「ヤベツの祈りグッズ」が売っていたほどです。ウィルキンソンはその本の中で、「ヤベツの祈り」を祈るようになってから自分の人生が変った、多くの人が、彼の勧めに従って「ヤベツの祈り」を祈っているうちに、困難に打ち勝って道が開けたと言っています。祈りには力があるのですね。

 ヤベツというのは、旧約聖書に出てくる人の名前で、三千年以上も前の人です。彼のことについては、次の祈りを祈ったということ以外はほとんど知られていません。「私を大いに祝福し、私の地境を広げてくださいますように。御手が私とともにあり、わざわいから遠ざけて私が苦しむことのないようにしてくださいますように。」(歴代誌第一、四章八節)

 「ヤベツ」という名前の意味は「苦しみ」で、母親によって名付けられました。「どうしてこんな縁起でもない名前を…」と誰もが思うように、このような名前が彼につけられたからには、きっと普通でないことがあったのでしょう。イスラエルでは父親が子どもに名をつけましたから、おそらく、ヤベツが生まれた時には、父親が亡くなっていて、ヤベツの母親は、夫を亡くし経済的にも、精神的にも大変な苦しみ、悲しみの中で、子どもを産み、育てなければならなかったと思われます。彼女が子どもに「苦しみ」という名をつけたのにはそれなりの理由があったようです。ヤベツは逆境の中に生まれ家庭的に重いハンディキャップを背負わされていました。しかし、ヤベツは、逆境に飲み込まれ、ハンディキャップの中に沈みこんだままで終わりませんでした。ヤベツは困難を克服し、どの兄弟よりもすぐれた者、抜きん出た者となりました。彼は祈りによって人生を変えたのです。

 人は皆、違った素質を持って、違った環境に生まれてきます。ある人は恵まれ、ある人は恵まれていません。一見して神は私たちに対して不公平神に見えます。確かに神はすべての人に平等なものをお与えにはなりません。しかし、神は不公平なお方ではありません。神が私たちに何らかの苦難をお与えになる時には、必ずその助けも与えていてくださり、苦難や逆境から祝福を生み出してくださるのです。多くの人は逆境にだけ目を留めて不平不満やあきらめの中に人生を送るのですが、神に祈ることのできる人は神の助けによって逆境を乗り越えることができます。ヤベツは「私を大いに祝福し、…わざわいから遠ざけて私が苦しむことのないようにしてください!」と祈りました。あなたも、あなたの願っていることをあきらめてしまう前に、そのことで神に祈ってみませんか。神への大胆な祈りはあなたの人生も変えるのです。

(2001年7月)

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