USA Diary

August, 2001

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8月1日(水)一度ヨセミテに行きたいというので、甥が来ている機会に出かけることにしました。ヨセミテへはいろんなルートがあるようですが、私たちはマセッドから140を走りました。ヨセミテバレーまで80マイルある、この道は、もっと険しい道かと思いましたら、案外平坦でした。かっては牧場だったところを過ぎ、道がマセッド川ぞいに走るころ、ヨセミテ公園に近づくにつれて谷が深くなっていきます。寒いかと思って着るものをたくさん用意してきましたが、夜も暑くて、家内は、避暑のつもりが、あてがはずれたようです。
8月2日(木)ヨセミテではマセッド川で遊び、エルキャピタンやハーフドームを眺めてきました。期待のヨセミテ滝は水がなくがっかりでした。世界第三位の落差を持つ滝が見れたら良かったのにと思いました。それにヨセミテ・バレーは人、人、人で観光化されており、ヨセミテに来るなら5月ごろが一番のように思います。
8月3日(金)もう少しヨセミテにいたかったのですが、子供たちの興味をあまり引かなかったようで、早めに切り上げ、今日は、ヨセミテとはがらりとかわってサンノゼ・ダウンタウンに行きました。トロリーの一日乗車券を3ドルで買って、一時間に一台ぐらいの割合で来るオールド・ファッションのトロリーに乗りました。ダウンタウンのいたるところに、思い思いにペイントされたシャークの像があって、それを見て回りました。図書館の前には本を読んでいるシャークがあり、なかなかユーモラスな作品が数多くありました。
8月4日(土)今日は、午後から明日の準備にオフィスに行きました。明日の礼拝であかしをしてくださる福沢牧人先生とお会いしました。チベットの人々に伝道している方で、来月はチベットの言葉をマスターするためネパールに行きます。明日のお話しが楽しみです。
8月5日(日)福沢牧人先生のお話では、仏教に帰依した白人が、仏教徒に伝道しようとしているクリスチャンに反対する大きな勢力になっているとのことでした。チベットから逃れてきた人々にキリスト教を押しつけるのは、チベットから難民を出している権力者と同じことをしていることであるというのです。でも、福音を伝えることは、チベットの人々の文化や民族としてのアイデンテティを奪うことにはならないと思います。もっとも福音を伝える人々は、福音の本質でない「西欧」の文化を押しつけることがないよう注意しなければなりません。
8月6日(月)今日、甥をサンフランシスコに連れていくはずだったのですが、英語部副牧師夫妻が日本から八名の中高生を迎えて世話をしておられ、その人たちもちょうどサンフランシスコに行くというので、そのツアーに入れてもらいました。甥はとても楽しかったようで、良い思い出となりました。私たちの副牧師夫妻はヴァケーションを利用して日本の中高生の世話をしてくださいました。ほんとうにありがたいことです。
8月7日(火)今日までヴァケーション。休みを利用して本の整理をしました。教会に聖書、神学、牧会関係の本を持っていくことにしました。それでも、家の書棚にも教会の書棚にも入らない「雑学」関係の本がまだガレージに眠っています。
8月8日(水)甥をサンフランシスコの空港まで送っていきました。このため、家内が朝の祈り会を受け持ってくれました。空港への行き帰りも、待ち時間もあまりかからず、とても順調でした。待ち時間の間、新聞を開いたら、人間のクローンがつくられるというニュースが一面にありました。こういうことは、どんどん進んでいきます。どこかでしっかりした歯止が必要でしょうが、アメリカだけ規制しても、単に一国だけでできることではないので、なかなか難しい問題です。
8月9日(木)いつも火曜日にしているミーティングが今日になりました。お昼を一緒にと出掛けたのですが、予定していたお店がお休みで、寿司店に入り、ソバを食べました。行くはずの店は、どこかというと「ココ」(Coco's)だったのです。
8月10日(金)教会のオフィスに持って行った本がなんとか書棚に入りました水曜日に本を運ぶのを手伝ってくれた英語部の牧師が言いました。「やっと、ここでやる気になったね!」もちろん、冗談でそう言われたのですが、こちらに来てもうすぐ一年、やる気をださなきゃいけませんよね。
8月11日(土)来週木曜日の執事会のため "Pastor's Report" を仕上げました。例によってマンガ入りです。全部 Linux で仕上げました。それで "Proud of 100% MS Free!" のロゴを入れておきました。残念ながら今のところ日本語文書のほうは、ソフトウェアがないため Linux では仕上がりません。HancomOffice には、かな漢字変換ソフト VJE と 日本語フォント15書体がついてくるとか、財布と相談してそのうち買おうかなと思っています。
8月12日(日)今日は三浦綾子さんの秘書だった宮嶋裕子さんとご主人、お嬢さんが来てくださり、宮嶋裕子さんは聖書クラス、礼拝、そして昼食時と、三浦綾子さんの文学と信仰についてお話ししてくださいました。彼女は、ご主人の仕事の関係で、二十数年前、サンタクララ教会に来ておられたことがあり、なつかしい教会を訪ねたいと、わざわざ足を運んでくださったのです。この旅行は、お嬢さんが両親のために費用をすべて出して実現したものだそうですが、そのお嬢さんは、サンタクララにいらした時は、やっと歩きかけたころだったとのことでした。親孝行なお嬢さんを持ったご両親はしあわせですね。
8月13日(月)日本では、賛否両論の中、首相が靖国神社参拝を強行しました。左翼の人々からはもちろん、「外国の圧力に屈して15日の参拝を変更した」と右翼の人々からも批判されていました。「戦没者に敬意を表わすのは当然」というのは理屈ですが、靖国の歴史を知る人にはうなずけないものが残ります。首相は一国の長であって、諸外国のことを気遣うのは当然のことで、もっと他の撰択がなかったかと思います。
8月14日(火)日本はお盆休みで、多くの人が帰郷しています。東京のお盆が7月15日にあって、地方のお盆が月遅れの8月15日にあるのは、同じときにすると、多くの人が帰郷していてできないからだという説もあります。アメリカでは故郷に帰るのはサンクスギヴィング・デーです。
8月15日(水)かつての日本ではお盆のときには、地方から出てきた奉公人は着物や小遣いを与えられて田舎に帰ることを許されました。これを「藪入り」というのだそうですが、「藪入り」は現代の日本でも、夏のボーナスとお盆休みという形で残っています。
8月16日(木)アメリカではみんながいっせいに夏休みをとるわけではありませんが、日本の企業などでは、工場の製造ラインを停めるため、いっせいに夏休みをとらせるところもあります。アメリカ人は、自分のヴァケーションの時期を会社の都合で決められるのを好みませんが、ここシリコンバレーもピークが過ぎ、いつでも誰でも雇ってもらえる環境ではなくなりましたので、そうは言ってばかりおれなくなってきたようです。
8月17日(金)きょうは、IBMが1981年に最初のパーソナルコンピュータを発売した日で、それから二十年が経ったということになります。その時のモデルは 64KB のメモリですが、今ではその十倍の 64MB のメモリでも少ないほどです。二十年の間、コンピュータはすごい進歩を遂げました。私のコンピュータ歴もほぼそれと同じですが、私の知識と技術はその進歩からおいてきぼりにされているようです。
8月18日(土)とは言え、Linux の知識では、まだまだ初歩ですが、少しは歩調を合わせているかなと思っています。シリコンバレーには Linux 使いが一杯いて教えてもらえるかと思っていたら、Windows や Mac 使いの人がほとんどで、その期待は裏切られました。そのうち、Linux の仲間ができるといいなと思っています。
8月19日(日)私はウェブページを Linux で作っています。Linux にはウェブページを操るいろいろなソフトウェアが用意されていて、もっと高度なことができるのですが、いまのところは、ごくありきたりのページを作っています。今年1月から礼拝メッセージを自分のウェブページに載せることにしましたので、今日も、きょうの分を載せました。
8月20日(月)Linux というのは、UNIX という本格的なコンピュータシステムを学習するために作られたコンピュータの基本ソフトウェアです。これは、世界中のボランティアによって作られており、すべて無料で使うことができます。基本ソフトウェアとそれに基づくさまざまなソフトウェアをパッケージにしたものが、たくさん出ています。私は、日本語化された Vine Linux というものを使っています。
8月21日(火)Linux は Windows のようにポピュラーではないし、Mac のようにファンシーではありませんが、最初から複数のユーザが同時にコンピュータを使うように設計されており、インターネットの時代にふさわしいオペレーティング・システム(OS)だと思います。実際、インタネットのサーバーのほとんどが Linux で動いています。
8月22日(水)Linux は「無料」(Free)だと言いましたが、Linux にとって、Free という言葉は「自由」という意味のほうが強いのです。Linux でもソフトウェアの著作権は認められていますが、同時にプログラムの改変の自由も認められています。それで、良いソフトウェアはどんどん改良されいくようになるのです。大会社のソフトウェアが特許で縛られて、一般のユーザにそれを利用することが制限されているのとは随分違います。ソフトウェアはソフトウェアのユーザみんなで作りあげていくという考え方がそこにあります。
8月23日(木)Windows から Linux の世界に入ってきて、私も戸惑うことがたくさんありますが、Linux のほうが論理的で勉強しやすいように思います。プログラミングのためのツールが無料で手に入るのもうれしい限りです。
8月24日(金)私のウェブページは、もともとは、Linux の勉強のために作られたものです。Linux のマスコットがペンギンなので、ホームページの名前も Penguin Club にしました。でも、今は、もっぱら聖書の記事が多くなりました。Penguin Club から聖書の世界を連想するのは難しいかもしれませんが、かわいい名前なので、これからも使っていきたいと思っています。
8月25日(土)Linux でも Windows や Mac のようなグラフィカル・インターフェースがあり、Windows や Mac と同じように使うことができます。しかし、ターミナルを開いてコマンドを打ち込む操作が必要なことも多く、実用に耐えるオフィスプロブラムがまだ無いのが、Linux がポピュラーにならない理由だろうと思います。Linux のこれからを期待したいと思います。
8月26日(日)きょうからヴァケーションです。きょうの礼拝メッセージは、もと、日本で宣教師をしておられた先生にお願いしました。この方とはサンディエゴでお会いしましたが、今、こちらに戻っておられるので、礼拝メッセージをお願いすることができたのです。礼拝メッセージを代わってもらう人がいないと、なかなかバケーションも取りづらいのですが、近くに良い方がおられて幸いでした。
8月27日(月)サンノゼに来て、一年が経とうとしています。この一年の印象は「忙しい」ということです。集会、イベントが次から次へとあります。人目には充実しているように見えますが、忙しさに「心を亡ぼして」いる面もあります。
8月28日(火)もうひとつの印象は、信仰的にあまり保守的でないということです。この地域の教会にはかなり自由主義的な空気があり、街全体は、ダラスで感じたようなクリスチャンにフレンドリーな雰囲気はありません。
8月29日(水)ダラス、サンディエゴと、比較的暖かい地方を体験してきましたので、ここでの冬の寒さに、まだ体が慣れていないようです。私は、夏に暑いのはわりあい平気なのですが、冬に寒いのは応えます。こちらに来て最初の冬はみごとに風邪をひいてしまいました。
8月30日(木)木の背丈が高いというのも、サンノゼの印象のひとつです。サンタクルーツまで足をのばすとレッドウッドの森には圧倒されます。街路樹も、季節ごとに色を変えてきれいです。
8月31日(金)レッドウッドの森の木々のように、神に向かって成長していきたい、さらにみことばの深みに漕ぎ出していきたいと願っていますが、「広さ」や「長さ」は求めても、「高さ」や「深さ」にまで進んでいかないもどかしさを、ここでは感じています。「浅く広く」から「高く深く」に向かうには、乗り越えなければならない壁があるようです。
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