USA Diary

March, 2000

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3月1日(水)六歳のこどもが銃で、同じ年齢の女の子を殺したという痛ましいニュースが飛び込んできました。この子どもの父親は受刑者で、この子は、麻薬の密売をしている荒れ果てた家にいて、そこに無造作に置かれていた実弾入りの銃を学校に持ってきたというのですから、何をかいわんやです。豊かに見えるアメリカの貧しい面がまたもやさらけだされた事件でした。かって開拓の時代は、身を守るために銃が必要だったかもしれませんが、現代のように都市化し、警察組織のある社会で、銃を野放しにしていていいのか、誰もが疑問に思うのは当然でしょう。
3月2日(木)無料のコンピュータ雑誌、ComputorEdge (このスペルは、間違いではありません。機械を Computer と言い、機械を使う人を Computor というのです。)に、毎回 "I Don't Do Windows" と言う、マイクロソフトからクレームがつきそうな記事があります。要するに Unix、Linux の記事です。今回は、WordPerfect でおなじみの Corel が独自の Linux を出したということで、Linux の担当者へのインタビュー記事がありました。わたしは、雑誌の付録に Turbo Linux 4.2 がついて来て、一旦は、オフイスのコンピュータに入れたのですが、その後、Linux の勉強をする暇もなく放ってありましたが、この記事を読んで、また、Linux をいじって見ようかなという気になり、ホームオフィスのコンピュータに Linux を入れようとしているのですが、X の設定で、うまく行かずに、ストップしています。
3月3日(金)教会で、フォトディレクトリーを作るので、昨日から写真撮影をしています。今日は、私達の予約の日で、写真を撮りに行きました。8年ほど前にも、同じことをしたのですが、その時のフォトグラファーは、とても上手だったのですが、今回は、私達にとっては、そんなに上手と思えず、残念ながら、気に入った写真をとることができませんでした。
3月4日(土)来週から「受難節」(レント)がはじまります。去年、レントに使う聖書日課のコピーを、ある人からいただきました。とても良かったので、これを翻訳して、みんなに使ってもらうことにしました。すでに礼拝プログラムに入れてありますが、全部を訳せなかったので、とりあえず一週間分だけやってつくりました。来週はまた、次の一週間分を用意しなければなりません。これかの受難節は、私にとっての受難の時になりそうです。
3月5日(日)今日の礼拝に、日本ミッションのヴァーウェイ先生がきてくださいました。5年前も見えたのですが、今回は息子さんといっしょでした。奥様は入院中とのことでお気の毒でした。先生の通訳をバックグラウンドでしたのですが、先生がジェスチャーをなさったのが見えず、困りましたが、適当に通訳しておきました。お話しは、先生が育ったカラハリ砂漠では、水がどんなに貴重なものか、人が三日水を飲まないと、内蔵が腐り、気が狂ってしんでしまうということを話してくださいました。イエス・キリストが命の水であるとのお話しだったのですが、とても説得力があり、みんな聖書のおことばを深く学ぶことができました。
3月6日(月)さて、休みましょうと、支度をしていたら、家内が「ドアが開かない!」と、私を呼びます。ガラージのドアがしまっているかどうか確かめようとして、外に出ようとしたら、デッドボルトになっているのが、引っかかって開かないのです。朝、出かける時に開かないと大変なので、今晩中に直しておこうと、裏庭から表に回り、ガレージから道具を出して、なんとか、直しました。その時、外に出て空を見上げましたら、星がきれいでした。サンディエゴの空は、マリブとはちがって、星を見るには明るすぎるのですが、雨上がりだったからでしょうか、いろんな星座がきれいな形を作っていました。
3月7日(火)Linux のインストールですが、X の設定がうまくいかなかったのは、Linux がビデオカードを正しく認識しなかったためです。私のカードは S3 社の Trio 3D なんですが、XConfigurator が、このカードのサーバーを XF86_S3 と誤認していたのです。本当は、XF86_SVGA なんです。それで、XConfigurator での設定をあきらめて、XF86Setup を使いました。こちらのほうが、グラフィカルに設定できて、使いやすいのですが、なんだか、設定が大雑把で、これでいいのかなと思えるところもありましたが、やってみると、すんなりと、X が動きました。ばんざい!Turbo Linux 4.2 では、Turbowmcfg という便利な代物があって、これで、好みのウィンドウを選べます。このへんが、マイクロソフト・ウィンドウズにできない芸当で、押し着せのウィンドウズがいやな人は、試してみるべしでしょうね。それに、X では、仮想ウィンドウをいくつも持つことができますから、ウィンドウを切替えて仕事をすれば、マイクロソフトのように、ごちゃごちゃウィンドウズが重なることなく、広いディスクトップで、のびのび仕事ができます。今、KDE を試していますが、なかなか良くできています。Turbo Linux 4.2 には、日本語の入力、表示プログラムが最初から入っていますから、日本語も大丈夫です。ただ、最初にファイルをいじってやらないと、日本語入力は、自動的にはできません。それに、KDE 付属のエディタは、どうも、手に馴染みません。幸い、WZ と同等の機能を持つ、XZ のα版が Village Center からダウンロードできますので、早速、使っています。インストールも簡単で、とても、調子よく動いてくれます。
3月8日(水)リナックスが私のコンピュータでも動きはじめたので、うれしくなって、ウィンドウズよりも、リナックスをオープンすることが多くなりました。私のシステムでは、漢字入力は、NECの「かんな」がデフォルトになっていますが、これは、変換をスペースとリターンで行うことが出来るので、いままでと同じ操作で、楽しく日本語を入力しています。これだけのすぐれたものが、無料で手に入るというのは、驚きです。マイクロソフトのビル・ゲイツは、ウィンドウズで世界一の金持ちになりましたが、全く人気を落してしまいました。それにくらべ、リナックスの産みの親、リーナス氏はリナックスから一銭の利益もえていませんが、彼の人気は上がりばなしです。ビルとリーナス。アメリカとヨーロッパの人間の違いを感じます。
3月9日(木)リナックスの話題が続いてごめんなさい。このページは、「USA DIARY」ではなく、「コンピュータ日誌」にしたほうがよいみたいですね。ともかく、リナックスで、今、まだ出来ていないことは、サウンド・カードを動かし、音を鳴らすこと、ブラウザからのファイルのダウンロードなどです。リナックス・システムそのものは無料で手に入っても、外付けのモデムが必要だったり、ウィンドウズ用のプリンターが使えなかったり、そもそも、満足なフォントが無料では手に入らないことなど、「リナックスも安くない」ということにご注意ください。
3月10日(金)3月8日から、レント(受難節)に入りました。イエスが荒野で四十日間断食をしたように、パーム・サンデーから始まる受難週(聖週間)までの四十日を、クリスチャンにとって一番大切なイエスの十字架を思いながら過ごす期間です。今年は、昨年いただいた、受難節の聖書日課を翻訳して、みなさんに使っていただいています。一度に翻訳するのは大変なので、一週間分づつやっていますが、木曜日の夜はその翻訳日です。毎日少しづつやっておけば楽なのですが、なかなかできないで、結局一晩で翻訳して、金曜日の朝、プリントするというパターンになってしまいました。プリントしたものを家に持って帰ってページ順に重ねて礼拝プログラムに入れるのですが、この仕事は、娘の仕事です。120部、いやがらないでやってくれるので、助かります。
3月11日(土)今日の朝、お掃除に来る人たちがいましたので、教会に行きましたが、ユース・グループが集まっていたので、私が行かなくても、教会が空いていました。けれども、約束したことなので、行きました。掃除を手伝うわけではありませんが、やはり、牧師がいたら、うれしいのではないかと思って出かけました。牧師の仕事というのは、何かをするということだけでなく、そこにいるという存在の仕事なのかもしれません。アビリィティよりもアベイラビリティが大切なんだと、自分に言い聞かせています。
3月12日(日)今日は教会の執事会。例によって、遅くまでかかりました。教会は、魂のいこいの場ですが、朝の早天祈り会から、十時間以上も教会にいると、さすがに疲れます。ひとりの執事が、「職場のオーバータイムでも、こんなに長くいないよ」と言っていました。良く、夜中まで議論していたとか言いますが、それは、誇りでもなんでもなく、会議の準備が足らないだけだと、私は、思っています。
3月13日(月)いつものように、庭仕事。土いじりは体に良いと言われていたのですが、このごろは、土の中にいろいろな雑菌があるので、特に、濡れている土には素手でさわってはいけないとか言われています。それだけ環境も汚染されてきたのでしょうか。
3月14日(火)今日は、牧師会でひさしぶりにロスアンゼルスに。日本に帰る人、ハワイに行く人たちの送別の時を持ちました。日本では、四月が新年度。学校で、職場で、そして教会でも、人の動きがあるのですね。
3月15日(水)午前中、家庭集会、午後はお葬式、夜は、祈り会と、忙しい一日でした。
3月16日(木)昨年、日本語部の執事たちが、教会報にとても素晴らしい文章を載せてくれました。それを読んだひとりの人が感動して、これをぜひ、英語にして載せてもらいたいと、英語部の牧師に頼み、係にかけあいましたが、実現しませんでした。今日、それで、その人と相談したのですが、「英語しかわからない自分の息子に読ませたい」ということにして、個人的に訳を作って、プリントすることにしました。日本語の方は、教会のウェブ・ページに載せるつもりでいたので、英語ができたら、英語ページにも載せたいと思います。
3月17日(金)今日午後、病気の方を訪問しました。その家のご主人が病気をなさった時、ご主人のかわいがっていた猫も、同じように元気を無くして、食欲がなくなってしまったという話を聞きました。犬や猫でも、人間にかわいがられていれば、人間の気持が分かって共感できるとしたら、私たちの主であるお方の苦しみに心が痛まないとしたら、私たちは「犬畜生にも劣る」と言われても、しょうがないかもしれませんね。
3月18日(土)去年は、来なかったのですが、今年は、わが家の庭にモッキンバードが来て、朝から晩まで、一日中、夜も休みなく鳴いています。他の鳥のいろんな声を真似て鳴きますので、それは、それは賑やかです。家内とふたりで、いつ寝るんだろうね、と話しています。
3月19日(日)お米のとぎ汁は、草花にいいので、家内はそれをいつも庭に撒いています。ところが、数日前、何を思ったのか、とぎ汁といっしょに、お米まで庭に撒いてしまいました。何か考え事でもしながらお米をといでいたのでしょう。慌ててお米を拾いましたが、全部拾い切れませんでした。「そのうちすずめが食べてくれるわ」と言ったものの、すずめは庭にはくるのですが、お米には見向きもしません。やはり、アメリカすずめはお米じゃだめなんでしょうか。
3月20日(月)新しいショッピング・モールが再オープンして、ウォールマートが出来たので、家内といっしょに買い物に行きました。行きはすっと行けたのですが、帰りはフリーウェーに入るまで大変でした。「行きはよいよい、帰りはこわい」という感じでした。このモールは、以前あまり業績が良くなくてつぶれたところなんですが、アクセスの悪さも関係あるのかなと思いました。
3月21日(火)今日お昼から、ある家庭で、小さな記念会をさせていただきました。亡くなられた方を懐かしみ、親しい者たちが集う。これは、天国の希望を持つクリスチャンができる特権だと思いました。
3月22日(水)コンピュータをいろんな方に教えていて気がついたことですが、多くの人が基本を知らないで、使っています。もし、コンピュータの構造、ファイル・システム、テキストの操作について、基本をつかんでいたら、コンピュータも難しくはないのですが。どんな勉強でも、基礎、基本ほど大切なことはありませんね。
3月23日(木)定例の集会を終えて、自分の部屋に戻ったら、鍵をかけておいたはずの私の部屋が空いていました。消防署の人たちが検査にやってきたので、英語部の牧師が私の部屋を開けたのでしょう。抜き打ち検査なのか、前もって、知らされていたのか分かりませんが、私の部屋は、消防上問題が無かったようです。
3月24日(金)明日、宣教大会があるので、そこに持っていくプレゼンテーションパネルを、にわか作りで仕上げました。つくってみてから思ったのですが、来年、もし同じことがあるのなら、今度はHTMLでプレゼンテーションを作って持って行こうと思いました。
3月25日(土)サンディエゴからサファナンド・バレーまで宣教大会に行きました。行き帰り6時間の大旅行です。それでも、ロスアンゼルス地区で行うどの集会も、サンディエゴ地区からの参加者が半数を占めているのです。もうちょっとサンディエゴを大事にしてもらわなきゃと、誰でも言いたくなりますよね。
3月26日(日)ひとり暮らしの方が入院されたの言うので、午後の訪問から帰ってきて、家内と一緒に病院に行きました。後で聞いたら、入院でも、エマージェンシーでもなく、休日診療に行って、それからお家に帰られたそうです。インフィメーションの不足でした。
3月27日(月)家内が眼科の予約があって、エルカホンの病院に行きました。以前目の検査をするときに近くの病院にしておいたので、とても助かりました。近いのは、いいことです。診察待ちの時、日本に行ったことのあるアメリカ人から「コンニチワ」と声をかけられて、日本のことをいろいろ話したそうです。
3月28日(火)ある方からEメールをいただいて、私のオーディオ・ページが無くなったので、寂しいとのことでした。ホストのディスクスペースの関係で古いものを皆削除し、その後アップデートしていないのですが、近いうちにまた、再開しなければと思っています。なにせ、一人で三つのウェブサイトをやっているもので、大変です。
3月29日(水)今日、コミュニティ・メモリアル・サーヴィスの打ち合わせがありました。他の教会から、インテリィウム・パスターが来ましたが、なかなか堂々とした方で、聞けば神学校の教授もしている Ph.D とか。でも名刺にはなにも書いてありませんでした。肩書きを一杯並べる人よりも、素直に Rev. ○○○ と書く人の方が、好感が持てます。
3月30日(木)私たちの教会の婦人たちの話を聞いていると、漫才のようなのが時々あって、大笑いすることがあります。ジャパニーズ・ガーデンに、私たちの教会からある婦人が奉仕にいきました。一人のアメリカ人が入ってきて、ティーハウスを見て、「オー、ワビ、サビ。」と言いました。それを聞いた婦人が「ワサビね。刺身につけて食べるとおいしいのよ。」と答えました。アメリカ人は茶道の「わび」と「さび」を言ったのです。日本人の方が「わび」も「さび」も分からず、「わさび!」と言っているのですから、面白いものです。
3月31日(金)今、翻訳している本に、皮肉たっぷりのジョークがありました。"There are no physical fitness programs here because the staff gets enough exercise jumping to conclusions, flying off the handle, running down the boss, dodging their responsibilities, and pushing their luck." 私もかなりの皮肉屋なので、こういう冗談が面白いと思います。
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