USA Diary

January, 2021

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1月1日(金)ゆうべは雨だったせいか、例年聞こえる花火の音も聞こえず、静かな元旦を迎えました。元旦といっても、近所の店はみな開いていますので、ふだんと変わりません。何人かの方々に、メールや LINE で新年の挨拶を送って過ごしました。娘は、録画してあった「NHK 紅白歌合戦」を観ていました。
1月2日(土)このダイアリーは1999年1月1日から始めましたので、今年は23年目になります。よく続いものだと思いますが、皆さんに役に立つようなものが書けないのが申し訳けありません。きょうは、どなたかがメールで送ってくださった次の言葉をお贈りします。
Faith makes everything possible.
Hope makes everything work.
Love makes everything beautiful.
1月3日(日)今年最初の礼拝を守りました。礼拝の場所が変わるかもしれないと言われていましたが、もとの場所を続けて使えるようになりました。大きな部屋にわずかな人なので、寂しいので、もう何人かの礼拝者が加えられるようにと願っています。
1月4日(月)私たちの町は、家と家とのバックヤードの間に裏道がついています。ガレージは、裏道に向けて開くようになっていて、裏道か出入りします。また、ゴミも裏道に出しますし、裏道沿いにガスや電気、ケーブルなどが埋め込まれています。玄関が向かっている表通りの景観がよくなるよう工夫されています。散歩をする人は、表道を歩き、裏道を歩く人はめったにいません。近くの裏道が傷んだので、新しくする工事が始まり、きょうは一日、コンクリートを割って、それを運び出す音が響いていました。
1月5日(火)ジョージアの上院議員選挙では、2議席とも民主党が議席を取りました。民主党、共和党とも50づつになったのですが、副大統領が上院議長となり、次期副大統領は民主党ですので、わずかな差ですが、上院、下院とも民主党が占めることとなりました。アメリカは、両党の微妙なバランスによって政治を行ってきましたので、一方に偏ることに危機感を抱く人も多くいます。
1月6日(水)きょうは上下両院合同議会で大統領選挙が行われます。これにあわせて、ホワイトハウスの前にある広場で、“Save America”ラリーがあり、全米の各ステートから選挙不正の糾明を願う人たちが集まりました。トランプ大統領のスピーチがあるというのでインターネットで中継を見ていました。選挙不正に関して新しい証拠が提示されるかと思ったのですが、大統領のスピーチは、ジョージアの上院議員選挙の応援演説と同じで、新しいものではありませんでした。大統領は最後に、「平和的、愛国的に議事堂に向けて行進しよう」と呼びかけ、大勢の人がそのとおり、お祭り気分で行進を始めましたが、その直後に、一部の人々が議事堂に乱入しました。ホワイトハウス前の広場で大統領の演説を聞いていた人ではなく、すでに議事堂前に陣取っていた一部の人による犯行でした。ひとりの女性が警備員に撃たれ亡くなりました。警備員のひとりも重症と伝えられています。大統領はすぐさま、「暴力を許さない」とのメッセージを出しましたが、ツィーター社は大統領アカウントを停止して、メッセージを出せないようにしました。こういうときこそ、大統領のメッセージを伝えるべきなのに、それを制限するというのは、大統領が議事堂乱入をあおったという先入観に基づいているように思います。
1月7日(木)きのうの出来事は、ほんとうに残念なことでした。「トランプ・ラリー」は今まで何百回と行われてきましたが、一度も車を焼いたり、商店を略奪したり、発砲したりということはありませんでした。ですから、トランプ・ラリーがあるからといって店を閉じたり、ボードでガラスを囲ったりといった風景は見られませんでした。議事堂の警備体制はどうなっていたのでしょうか。トランプ・ラリーだから安心していたのでしょうか。その中に、反トランプの人たちが紛れ込んでいるということは考えなかったのでしょうか。反トランプの人たちは大統領を非難し、弾劾すると息巻いていますが、大統領は、州兵の出動を命じ、20日の就任式が済むまで、ワシントンDC を守らせています。
1月8日(金)私の知人も6日のトランプ・ラリーに参加し、トランプ氏の演説後、広場から議事堂に向かう道での写真をリアルタイムで送ってくれました。ハロウィーンのようにさまざまに工夫を凝らした衣装を身に着けた人たちが、楽しげに歩いていました。あの行進がほんとうに平和的だったことは、現場にいた人も、また行進の様子を見た人も証言できるはずです。トランプ氏は、既得権益をもった一部の人々ではなく、一般市民のための政治を目指したので、いろいろな抵抗に遇い、不当な評価を受けてきましたが、ビッグ・テックが言論の自由までも奪おうとするのは、その不当さが極まったものだと思います。
1月9日(土)日本のある人が、「大統領は、民間のツィターなんかに頼らずに、政府のアカウントを使えばいいではないか」と言っていましたが、それはアメリカが「民間」で成り立っていることを見落とした発言だと思います。また、「アメリカのような進んだ国で選挙不正など起こるわけがない。それは落選した陣営の作り話だ」という人もいますが、これも、大統領選挙といえども連邦政府ではなく、各州、また各郡の管轄下にあり、選挙法を決める州議会や、選挙実務を担当する州務長官などがいて、それぞれの政党や、多様な人種グループが彼らを支持しています。その支持者たちが、それぞれ自分たちに有利になるよう働きかけます。コロナ騒ぎに乗じて、いままでとは違ったやり方をしたため、不正が入り込む余地が生まれました。また、投票には機械を使いますので、これが操作された可能性も否定できません。トランプ陣営は証拠を集めて提訴しましたが、裁判所では門前払いとなり、検証されていません。テッド・クルーツ上院議員が言うように、きちんと検証して、不正がなかったことがわかるなら、それはバイデン陣営にもよいことだと思うのですが、彼の提案が、あの議事堂乱入の影響もあって、合同議会で通らなかったのは残念でした。
1月10日(日)教会があるコリン郡でコロナ感染者が増えたので、教会での礼拝がなくなりましたので、きょうはリビングルームでオンライン礼拝を守りました。家族だけですが、だれかといっしょに礼拝できるのは幸いなことです。ひとりでオンライン礼拝を守っている人は、やはりさみしいだろうと思います。午後から雪になりましたが積もることはありませんでした。
1月11日(月)トランプ支持者は、トランプ氏が退くにしても、不正選挙を企んだ者たちや外国からの賄賂を受け取った者たちに処罰が降るようにと願っています。就任式前に大きな出来事が起こるのでは、いや、起こって欲しいという気持ちを持っています。アメリカの半数近い人々がそれほどまでの願いを持つのには、アメリカの基本理念が 250年もしないうちに崩れていくのではないかという危機感から来ているのだと思います。
1月12日(火)テキサス州とメキシコとの境には、リオ・グランデ川が流れています。この川はコロラド州から始まり、ニューメキシコ州の真ん中を通り、テキサス州とメキシコの間を流れ、メキシコ湾に注いでいます。この川を越えてメキシコ側からアメリカ側へ渡る不法移民が絶えず、さまざまな問題が起こりました。それでトランプ氏は国境にフェンスを設けました。きょう、トランプ氏は、1月6日以来はじめて公に姿を見せ、建設中のフェンスを視察し、このために働いている人たちを励ましました。リオ・グランデ川は全長1,885マイルですが、その大半 1,240マイルは国境にあります。フェンスはどこまでできているのでしょうか。
1月13日(水)下院議長のペロシ氏が、議会では「性の区別」を表す言葉を使わないようにという提案をしました。法案ではなく、議事運営のとりきめなのだそうですが、この発言は社会一般に大きな影響を与えています。また、ある議員が議事開会の祈りのあとに「アーメン」だけでなく「アーウィメン」と言ったそうです。「メン」は男性なので、女性の「ウィメン」もつけないと不公平だというのです。「アーメン」という聖書の大切な言葉を茶化しているわけで、そんなことなら、開会の祈りをしないほうがましだと思いました。日本でも、キリスト者が「アーメン」と唱えると「アーメン、ソーメン、冷ソーメン」と言ってからかったり、「酒呑むな、煙草吸うなのヤソ教は、アーメンドウな宗旨なりけり」という戯歌を作ったりしていました。そんなことが、このアメリカの議会で起ころうとは、夢にも思いませんでした。
1月14日(木)ペロシ下院議長は、トランプ氏弾劾要求の演説の中で、「私は、娘として、妻として、母として、祖母として弾劾を要求します」といったことを話しました。性別を表す言葉をたくさん使って、女性の代表として、この大統領は許せないと言ったのですが、自分が提案した議会ルールを忘れてしまったのでしょうか。アメリカの憲法に署名した人々はh「建国の父」と呼ばれていますが、性別を表す言葉を使ってはいけないのだったら、この言葉も使えなくなります。ペロシ氏は、自分も守ることができないことを提案しましたが、それは、アメリカの歴史や文化、そして、そのみなもとになっている聖書への挑戦ではないかと思います。
1月15日(金)知人が MeWe という SNS に招待してくれたので、アカウントを作ってみました。まだ使い方がよく分かっていませんが、最初のメッセージを書き込みました。この SNS はプライバシーを守り、政治、思想で発言内容を差別しないことを謳っています。ツィターやフェースブックに代わるものとして、これから成長するだろうと期待されているようです。
1月16日(土)一昨日、昨日と風が強かったのですが、きょうは穏やかになり、気温も上がりました。散歩にでも行けばよかったのですが、締切間近の仕事があって、午前中、車で出かけた以外は家に閉じこもっていました。
1月17日(日)きょうもオンライン礼拝でした。私のメッセージが短かったので、ビデオ編集者が、日本各地の教会のメンバーがひとつの曲をオンラインで歌っているビデオを最後に加えてくれました。ビデオ編集は時間のかかる仕事なのですが、とても良くまとめてくれました。来週は教会での礼拝になります。
1月18日(月)毎月20日が近づくと「日々の聖句」のまとめのために忙しくなります。まずは、2月号の発送。それから3月号の最終版、次に4月号の校正版、そして5月号の準備をします。4ヶ月分を扱いますので、順序よくやらないとこんがらがってしまいます。スティ・ホーム中の人々にもっと使っていただきたいと願っています。
1月19日(火)「我は信ず──使徒信条からのメッセージ──」を一冊にまとめ、日本に帰国する方に差し上げました。他にも何人かの方々に差し上げたいので、少しづつ作りはじめています。本はレターサイズの半分の大きさですので、リーガルサイズのカバーストックを表紙に使うことにしましたので、それをアマゾンに注文しました。ブックバインディング用のコンパウンドを使って、なんとかうまく製本できそうです。
1月20日(水)大量の兵士たちに守られての大統領就任式でした。あの警備は何を恐れての警備なのでしょうか。トランプ支持者は、声はあげても暴力はふるいません。多くの支持者は静かに過ごしました。トランプ氏は私人になりました。それでもまだ弾劾しようとすることは、それこそ、トランプ支持者に暴力をそそのかすことになるでしょう。バイデン氏が「ユニティ」を叫ぶのなら、私人を弾劾しようとする暴力を止めるべきだと思います。そうでないと、弾劾の矛先が自分に向かうかもしれません。
1月21日(木)MeWe で政治的、社会的なことへのコメントを書いています。とくに信仰の自由に関係のあることをこれからも書いていこうと思っています。英語ですが、関心があったら、覗いてみてください。https://mewe.com/i/philipnakao
1月22日(金)わざわざ “Stay home” と言われなくても、リタイアした身なので、ほとんど家から出かけませんが、それでも毎日、何かと忙しくい過ぎていきます。3食を用意し、食べ、後片付けするだけでも、1食につき 2時間かければ、それだけで 6時間使ってしまいます。掃除、洗濯などの家事を入れれば、一日があっと言う間です。私たちは普段からあまりレストランにはいきませんが、たまには食事を作らないでレストランで食べたいという気持ちはよく分かります。
1月23日(土)AAA の新しいメンバーカードが来ました。私は 1991年にサンディエゴに来て、翌年 AAA メンバーになりましたので、カードには “29 Year Member”と書かれていました。その前の留学時代も入れるとアメリカで30年も暮らしていることになります。その多くはアメリカの恩恵を楽しんだ日々でしたが、去年はそれまでと全く変わった残念な年でした。
1月24日(日)教会への道すがら、ガスステーションに表示されているガソリンの値段を見て、家内が「バイデンさんになってから、早速値上がりしたわね」と言いました。車に乗ることが少なくなったので、ガソリンを入れることもあまりなく、ガソリンの値段を気にしていませんでしたが、言われてみれば、いままで 1ドル90セントくらいだったものが、どのステーションでも 2ドル10セントほどに上がっていました。2ドル50セントくらいなら我慢できますが、3ドルになるのは困ります。
1月25日(月)郵便局に行き、2オンス用の切手を買ったら、今まで 70セントだったものが 75セントに値上がりしていました。この切手はよく使うので、値上がりすることが分かっていたら、たくさん買っておけばよかったと思いましたが、遅かったです。メディアメールも 1ポンドまで 2ドル80セントだったものが、2ドル89セントになっていました。
1月26日(火)きのうは、郵便局の帰りに学校区のタックスオフィスと郡のタックスオフィスに寄ってスクールタックスとプロパティタックスを払ってきました。テキサスには州税も市税もありませんが、そのかわりプロバティタックスやスクールタックスは他より高いように思います。これらは一括払いなので、私はセービングアカウントに毎月定額を移して、ちゃんとタックスを払えるようにしています。支払いが遅れると利息が加算されるので、毎年1月末までに払うようにしています。
1月27日(水)バイデン政権が発足して一週間になりますが、30もの大統領令を発令して、トランプ政権下で進めてきたことをひっくりかえしています。その中にはカナダとのオイル・パイプラインの建設認可取り消しや、国境のフェンス建設中止なども含まれています。キーストーンXLパイプラインはテキサスの製油所までくるはずでしたので、パイプラインの建設認可取り消しは数多くの失業者を生むことになります。
1月28日(木)アメリカの各州は連邦に税を収め、連邦はそれを各州に還付します。経済的に貧しい州は連邦に収めた税の三倍もの還付金を受け取っていますが、経済的に豊かな州は、収めた税よりも少ない還付金を受け取っています。つまり、州が連邦に貢献しているわけです。テキサスはそのように連邦を支えている優良州のひとつで、昔から独立心が強いところです。新政権発足を機に、州の独立を唱える人もいて、州の独立を検討する委員会の発足を州議会に提案する動きもあります。テキサスにはロシア、サウジアラビアにつぐ石油があり、メキシコ湾に面して海洋航路も持っていますので、独立して「テキサス共和国」になても十分やっていけます。しかし、州の独立は、現行の憲法のもとでは難しいとされています。州が独立すれば、メキシコとの国境だけでなく、ニューメキシコ、オクラホマ、アーカンソー、ルイジアナとの間にもフェンスが必要になるかもしれません。
1月29日(金)テキサス独立は小説か映画になりそうな話ですが、テキサス州分割は現実的です。テキサスはアラスカについで大きく、ドイツ、ノルウェー、ベルギーとフランスやイタリアの一部がそこに入るくらいの広さを持っています。アメリカの他の州の三倍くらいですので、三つに分けたとしたらアメリカは52州になり、上院にもう4人の議員を送ることができ、その4人が共和党なら、現在の民主50人、共和50人の勢力を逆転できます。もっとも、州の分割には時間がかかり、その間にアメリカの都市化が進み、都市部では民主党が有利になりますので、共和党はますます押されていくようになるでしょう。共和党は2年後の中間選挙に向け、党をひとつにまとめ、努力しなければいけないと思います。
1月30日(土)テキサス分割と同じように定員数を増やして、自分たちに有利にと考えているのが、最高裁判事です。現在、定数は9人ですが、リベラル5名、保守4名となっています。民主党には、この定数を増やして、リベラル派の判事を多く入れようとする動きがあります。最高裁判事は終身制ですので、それがいったん決まると、民主党が大統領、議会、最高裁の三権すべてで権力を持つようになりますので、チェック・アンド・バランスが効かなくなります。さて、これからどうなるでしょうか。2020年の大統領選で、政治への関心が高まったことは事実ですので、有権者の賢明な判断が求められます。
1月31日(日)雲ひとつない快晴の朝を迎えました。しかし、気温は低く、寒い日となりました。気温が華氏で10度から20度上がったり、下がったりするのはからだに堪えます。
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