Linux Memo

【Pandoc を使う】7-4-2022

2022年5月9日の記事で unoconv を使うと警告メッセージが出ると書きました。このメッセージを消そうとして、さまざまな方法を試しましたがうまくいきませんでした。それで、Python プログラムでは、ターミナルに表示する通常のメッセージを「ボールド」で表示するようにし、unoconv のエラーメッセージと区別するようにしました。
けれども、unoconv に代わるものがないかと、調べてみたら Pandoc を見つけました。自作プログラムでは、odt から pdf への変換と、odt から text への変換の両方が必要でした。Pandoc で odt から pdf に変換するには latex が必要とのことでしたので、これはあきらめました。latex は私には複雑すぎますので、pdf への変換は手動で行うようにしました。
テキストファイルへの変換は次のようにしました。
```
$ pandoc -t plain -o テキストファイル odtファイル
```
最初、unoconv での変換のように odt に忠実には変換できなかったので、プログラム内で、テキストファイルの整形をしましたが、次に
```
$ pandoc -t plain --wrap=none -o テキストファイル odtファイル
```
と、行の折返しを無効にしたらうまくいきました。オープンドキュメントからテキストファイルへの変換は unoconv を pandoc に置き換えることができ、unoconv の警告メッセージが出なくなってすっきりしました。

【字幕データのダウンロード】7-11-2022

通常のダウンロードでは「字幕データ」を得ることができませんでした。それで
```
$ youtube-dl --write-sub --sub-lang ja --skip-download （動画の URL）
```
として、字幕データだけをダウンロードしました。
（動画名）.vtt が作られていましたので、VLC で動画を開き、「字幕」メニューから .vtt ファイルを読み込ませ、字幕に問題のないことを確かめました。字幕のテキストは英語の場合、単語間の半角空白を感知して画面の幅に達すると自動的に改行しますが、日本語の場合は単語の間に空白がないので、字幕内で改行させるには   を改行したいところに入れる必要がありました。
VLC では、動画名と同じフォルダに、動画名と同じ名前の字幕ファイルを置けば、字幕つきでビデオを見ることができるのですが、字幕を動画に焼き付けておけば、どのアプリで再生しても字幕を見ることができます。字幕を映像として動画の中に組み込んでしまうのは、次のコマンドでできました。
```
$ ffmpeg -i （動画ファイル） -vf subtitles=（サブタイトルファイル） （動画＋字幕・ファイル）
```

しかし、字幕の文字が小さく、読みづらいかったので、次のようにしてフォントサイズ他、字幕スタイルを指定しました。

$ ffmpeg -i （動画ファイル） -vf "subtitles=（サブタイトルファイル）:force_style='Alignment=2,OutlineColour=&H100000000,BorderStyle=1,Outline=2,Shadow=0,Fontsize=32'" （動画＋字幕・ファイル）

字幕スタイルのオプションには、つぎのようなものがあります。

Name　　　スタイル名の指定
Fontname　フォントの名前
Fontsize　フォントのサイズ（単位・ピクセル）
（色の指定）
PrimaryColour　フォントの色、指定しなければ「白」
SecondaryColour　フォントの色（カラオケモード用？）
OutlineColour　&H100000000 で「黒」
BackColour 影の色
（フォントの装飾）
Bold -1 is bold, 0 is regular
Italic [-1 or 0]　
Underline [-1 or 0] 
Strikeout [-1 or 0]
ScaleX　　横に伸ばす（単位・パーセント）
ScaleY　　縦に伸ばす（単位・パーセント）
Spacing　文字間隔（単位・ピクセル）
Angle　　文字の回転
（字幕の表示）
BorderStyle　1=Border+Shadow, 3=Pure color background
　1 を指定すると文字にボーダーと影がつく。背景は透明
　3 を指定すると背景が OutlineColour になる
Outline　フォントアウトラインの太さ [0, 1, 2, 3, 4]
Shadow　フォントの影の濃さ [0, 1, 2, 3, 4]
（字幕の位置）
Alignment　1 左寄せ、2 中央寄せ、3 右寄せ。画面上部に表示する場合は 5, 6, 7 のいずれかを、画面中央の場合は 9, 10, 11 のいずれかを選ぶ
MarginL　左端からのマージン（単位・ピクセル）
MarginR　右端からのマージン（単位・ピクセル）
MarginV　上端からのマージン（単位・ピクセル）

オプションは豊富ですが、そのうちのいくつかの設定だけで読みやすい字幕を作ることができました。

【DVD Styler 再び】7-18-2022

ダウンロードした画像を DVD に焼く必要がありました。Linux には dvdauthor というコマンドがあって、コマンドラインだけで DVD を作ることができるのですが、面倒なので、以前使ったことのある DVD Styler を使うことにしました。以前は apt でインストールできたのですが、今は PPA を使う必要があります。私は https://ppa.launchpadcontent.net/tomtomtom/dvdstyler/ubuntu/pool/main/d/dvdstyler/ から直接 dvdstyler-data_3.1.2-1~ppa~impish_all.deb と dvdstyler_3.1.2-1~ppa~impish_amd64.deb とをダウンロードしてインストールしました。
DVD Styler で字幕つきの DVD を作るには、字幕ファイルを追加すればいいだけで簡単です。実際に DVD に焼く前に「生成のみ（オーサリング）」を選んでプレビューで字幕が表示されていることを確認しました。
字幕を画像化したファイルでは字幕の追加オプションがいらないので、そのまま DVD に焼きました。

【pdf2txt.py】7-25-2022

Python のモジュール pdfminer.six をインストールしました。そうしたら PDF からテキストファイルを生成するコマンド pdf2txt.py が使えるようになりました。PDF からテキストを抽出するには pdftk (poppler-utils) の pdftotext が使えますが、これは、縦書き文書に対応しておらず、あまり実用的なものではありません。
けれども pdf2txt.py なら、縦書き2段組の文書からもテキストデータを読みとってくれました。次のようにして使いました。
```
$ pdf2txt.py -V -n -o OUTPUT.txt INPUT.pdf
```
-V オプションは縦書きに対応させるものです。-n はレイアウト分析を無効にするオプションで、改行のないファイルを吐き出しました。
けれども、これでは扱いにくいので、次のように、いったん html に変換してから、pandoc を使ってテキストにしました。
```
$ pdf2txt.py -V -n -t html INPUT.pdf | pandoc -t plain --wrap=none -o OUTPUT.txt
```
ページごとに区切られたテキストファイルを得ることができましたので、それを整形して、希望通りのテキストファイルを得ることができました。ただ、漢字にルビがついている場合、それが漢字の前にかな文字で入ったので、手作業で処理する必要がありました。

【Python で pdfminer を使う】8-1-2022

Python のプログラム内で pdf からテキストを取り出すいちばん簡単な方法は pdfminer モジュールから extact_text を呼び出して使うことです。

from pdfminer.high_level import extract_text
text = extract_text('test2.pdf')
print(text) # コンソールに表示
with open('result.txt','w') as out:
	out.write(text) # ファイルに保存

私は、最初、上記のファイルに実行属性をつけずに動かしたので、モジュールの読み込みがなされず、エラーが出ましたが、実行属性をつけたらうまく動きました。この方法では、複雑な pdf からはきちんとテキスト情報を得ることはできませんでした。pdf2txt.py のようにオプションをつけるには、プログラムがもっと複雑になります。Python プログラムで pdf をテキストに変換するような状況はほとんどないので、pdfminer についてはこれ以上追求しませんでした。

【レスポンシブルなウェブページ】8-8-2022

最近の調査によると、インターネットからの情報を得るのに PC よりもスマートフォンのほうが多く使われるようになりました。それで、ウェブページもスマートフォンに対応するように作る必要が出てきました。表示されるスクリーンの大きさに応じて表示形式を変化させていくようなウェブページを「レスポンシブル」というのですが、とりあえず、一番簡単な方法で試してみました。
それは、HTML のヘッダーに
```
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
```
というラインを加え、スタイルシートに
```
@media (max-width: 768px) {
	div.top_menu { display: none; }
	div.pull_down_menu { display: contents; }
	}
```
などと指定すると、スクリーンサイズが指定したサイズより小さくなると、トップメニューが消えて、代わりにプルダウンメニューが表示されるという仕組みになっています。
ただしこの記述を Perl CGI の print 文で使うときには、
```
\@media (max-width: 768px) {
```
としてやる必要がありました。
書き上げた HTML をブラウザで表示し、ブラウザ画面を狭くしていくと、表示が切り替わりました。Firefox では Ctrl + Shit + M で、レスポンシブル・モードにし、デバイスのリストから、さまざまな機種を選んで、それぞれの機種でどのように表示されるか試すことができます。
スマートフォンや iPhone は次々と新機種が出るので、そのどれにも対応させるのは不可能です。おおまかな最大表示幅を指定するしかないようです。

【Python のウォルラス演算子】8-15-2022

ウォルラス演算子は「:=」という形をしています。セイウチの目と牙のようだからというので、そう名付けられたらしいです。これは、次のような Python プログラムの1行目と2行目をつなぐのに使われます。
```
m = re.search("([A-Z][A-Z])$", line)
if m:
	short_name = m.group(1)
```
上記を書き換えると次のようになります。
```
if m:= re.search("([A-Z][A-Z])$", line)
	short_name = m.group(1)
```
正規表現で特定の文字列を取り出すときに使うとプログラムが読みやすくなって便利です。

【Kobo 電子書籍を Kindle で読む】8-22-2022

楽天の電子書籍ライブラリー Kobo から一冊、本を買いました。これを読むには専用の端末、スマートフォンかタブレットのアプリ、あるいは PC のソフトウェアが必要ですが、PC のソフトウェアは Windows や Mac にしか対応していません。なんとか Kindle で読みたいと思い、Windows のソフトウェアで本のファイルをダウンロードさせ、そのファイルが /users/（ユーザー名）/AppData/Local/Kobo/Kobo Desktop Edition/kepub/にあるのを見つけました。解凍すると EPUB 形式であることが分かりましたが、本文の xhtml ファイルがバイナリーに変換されていて、一般の EPUB リーダーでは読むことができませんでした。DRM がかかっているのです。
DRM 解除そのものは違法ではありませんし、私的使用のための複製も認められていますので、Calibre に DeDRM_plugin.zip と Obok_plugin.zip プラグインを組み込みました。これらのプラグインは https://github.com/apprenticeharper/DeDRM_tools/releases にあり、DeDRM_tools をダウンロードして解凍すると得られます。DeDRM_plugin.zip と Obok_plugin.zip は圧縮ファイルのまま Caligre に読み込ませました。Obok_plugin という名称は "Kobo" を逆に読んだものでしょう。
Calibre のメインメニューから「Kobo プラグイン」を選んで、クリックすると、---/kpub/ にあるファイルを読み込み、一覧が表示されました。変換したいファイルを選んでクリックするだけで、DRM が解除されたファイルができました。ここまでは Windows で作業しなければなりませんでしたが、いったん通常の EPUB ができたあとは、Linux に戻って作業しました。
Calibre でできた EPUB をメール添付して Kindle に送りました。Kindle は EPUB そのものを読むのでなく、EPUB を Kindle ファイル形式に変換しているようですが、問題なく本を読むことができました。また、これで購入した電子書籍のバックアップをとることができ、安心です。

【ルビのついた odt 文書の処理】8-29-2022

ルビのついた odt 文書を unoconv でテキストに変換すると、ルビは省略されます。pandoc で変換した場合はもっと悪く、ルビを振った漢字まで、ルビとともに消えてなくなります。おそらく pandoc は、日本語の独自表現であるルビを考慮に入れていないのだろうと思います。
それでも、せっかく振ったルビを生かしてテキストに変換したかったので、odt から自前でテキストファイルを取り出し、それを加工することにしました。
odt ファイルは ZIP で圧縮されていますので、
```
$ unzip INPUT.odt
```
とすると、さまざまなファイルに展開されます。その中で必要なものは content.xml にありましたので、次からは
```
$ unzip INPUT.odt content.xml
```
として、content.xml だけを取り出すようにしました。
ただし、この xml ファイルは改行のないテキストファイルで扱いにくいので、
```
with open("content.xml") as inp:
	text = inp.read()
lines = text.split("</text:p>")
```
としました。それから、ルビが <text:ruby-text> と </text:ruby-text> に挟まれているので、これを全角の括弧「（」と「）」に変換してから「<」と「>」で囲まれたタグ部分を消去しました。Python コードは次の通りです。
```
for line in lines:
	line = re.sub("<text:ruby-text>","（",line)
	line = re.sub("</text:ruby-text>","）",line)
	line = re.sub("<[^>]+>","",line)
```

これでルビ部分が括弧に入り、

その国の状況は、山上憶良（やまのうえのおくら）が歌った「貧窮問答歌（ひんきゅうもんどうか）」のようであった。

と表示されるようになりました。

私が扱う文書では unoconv や pandoc で odt からテキストに変換するよりも odt から content.xml を取り出してテキストに変換したほうがうまくいきました。また、これを Python プログラムで使うことによって unoconv を使わずに済むので警告メッセージも出なくなりました。

【Okular を使う】9-5-2022

PDF の表示にはデフォルトの Atril で事足りているのですが、PDF で作られた書類に記入する必要があったので、Okular をインストールしました。ハイライト、アンダーライン、スタンプなどの機能がありますが、使ったのは「タイプライター」機能で、テキストボックスを作り、そこに文字を入れていくものです。ボックスの位置はだいたい位置にしてどんどん文字を入れていき、あとでボックスの位置を揃えました。
書き込みを終えた PDF を別名で保存すると、とても大きなサイズになってしまうので、私は、「印刷」で「PDF ファイルに出力」としました。すると、サイズを抑えることができ、メールの添付で送ることができました。
上記の機能は縦書き文書では使えないなど、そんなに高機能のアプリではありませんが、Linux では他に PDF に書き込みができるものがあまりないので、私にとっては、これは貴重なアプリです。

【Kwrite】9-12-2022

KDE のアプリは、今まで敬遠していたのですが、Okular に続いて Kwrite を入れてみました。これは Kate の簡略版です。Kate は、私には、機能が多すぎで、使いこなせなかったのですが、Kwrite は、私にはちょうど良ものでした。Python のプログラミングに使ってみて、良いと思ったのは次の点です。
- ズーム機能で編集中の文字の大きさを変えることができる。
- 編集補完機能で括弧などの閉じ忘れを防ぐことができる。
- コードの折りたたみ表示ができる。
- 選択部分のソートや矩形選択ができる。
- 置換ボックスが使いやすい。
mousepad と比べ、惜しいと思ったのは次の点です。
- ファイルを閉じたときの位置が記憶されない。
- フォルダー単位のファイル検索・置換ができない。Kate ならできる。
- シャットダウン時のファイル回復機能がない。
Mousepad と併用して使えばよいかと思っています。

【Pydub を試す】9-19-2022

2022年2月14日の記事に、mutagen.mp3 を使って、Pythyon でオーディオ・ファイルの再生時間を調べる方法を書きました。sample.mp3 の再生時間を得るには次のようになります。
```
from mutagen.mp3 import MP3
audio = MP3("sample.mp3")
duration = audio.info.length
```

同じことを pydub を使って行うと、次のようになります。

from pydub import AudioSegment
audio = AudioSegment.from_file("sample.mp3", "mp3")
duration = audio.duration_seconds

pydub ではチャンネル数やサンプリングレートも得ることができます。

rate = audio.frame_rate  # サンプリングレート(Hz)
channel = audio.channels  # チャンネル数(1:mono, 2:stereo)

pydub は、本来は、音声ファイルにさまざまな効果をかけるのに使うものなので、再生時間を得るためだけに使うには高度すぎるモジュールです。再生時間を得るだけなら mutagen で十分だと思いますが、wav ファイルから mp3 への変換やビットレートの指定なども Python 内で行うなら、pydub を使うと便利です。ファイル形式の変換とビットレートの指定は次のように行いました。
```
audio = AudioSegment.from_file("sample.wav", "wav")
audio.export("sample.mp3", format="mp3", bitrate="192k")
```
ファイル形式の変換には ffmpeg を使っているようです。wave ファイルのフレームレートの変更は次のようにしました。
```
audio = AudioSegment.from_file("sample.wav", "wav")
audio2 = sound.set_frame_rate(22050)
audio2.export("sample2.wav", format="wav")
```

【Mutagen で ID タグを設定】9-26-2022

Mutagen の本来の使い方は ID タグの設定にあります。Mutagen の easyid3 を使って、次のようにして ID タグを書き込んでみました。
```
from mutagen.easyid3 import EasyID3
tags = EasyID3("sample.mp3")
tags['album'] = "The Greates Hits in '70"
tags['artist'] = "The Penguins"
tags['date'] = "2022"
tags['length'] = "1475292"
tags['title'] = "Flying Penguin"
tags.save()
```
ちゃんとタグが書き込まれたかどうかは次で確かめました。
```
print(tags.pprint())
```
けっこう簡単だったので、今まで lame で wav から mp3 に変換し、タグをつけるようにしていたプログラムを pydub で変換、mutagen でタグづけするように書き換えてみました。ところが、pydub の場合、進捗状況が表示されないので、もとの lame を使う方式にもどしました。ただし、lame は 6年前から開発が止まっているので、今後も使えるのかどうか心配です。lame の代替を捜してみようと思っています。

【sox での変換と再生】10-3-2022

「lame の代替」で思いついたのは sox でした。
```
$ sox sample.wav sample.mp3
```
で wave ファイルから mp3 ファイルを作ることができました。lame や ffmpeg よりうんと早くできました。次に、
```
$ sox -V3 sample.wav sample.mp3
```
としてみましたが、情報が示されるだけで進捗は表示されませんでした。
sox には派生コマンドに soxi というのがあって、ファイルの情報を得ることができます。再生時間だけを秒で得るには
```
$ soxi -D sample.wav
```
で出来ました。

これを Python で使うには、次のようにしました。

result = subprocess.check_output(["soxi","-D","sample.mp3"])
duration = int(float(result))

play コマンドに trim オプションをつければ、変換したファイルの任意の部分を再生しますので、耳で確かめることができて便利です。次のようにして、最初の10秒間だけが再生されるようにしました。
```
$ play sample.mp3 trim 0 10
```

【eyed3 モジュール】10-10-2022

Python の eyeD3 は ID3 タグを細かく設定できるモジュールで、きわめて多機能です。タグの情報ばかりでなく、次のようにして、演奏時間も得ることができました。
```
import eyed3
audio = eyed3.load("sample.mp3").info
duration = int(audio.time_secs)
```

.info で得ることができるものには、他に次のようなものがありました。

size_bytes　　　ファイルのサイズ
bit_rate　　　　ビットレート
bit_rate_str　 ビットレートを文字列で
mode　　　　　　モード（MONO/STEREO）
sample_freq　　サンプル周波数

ID3 タグの設定は次のように行いました。

import eyed3
audio = eyed3.load("sample.mp3").tag
audio.album = "The Greates Hits in '70"
audio.artist = "The Penguins"
audio.recording_date = "2022"
audio.title = "Flying Penguin"
audio.save()

記入したタグの確認は次のようにしました。

import eyed3
audio = eyed3.load("sample.mp3").tag
print(audio._getAlbum())
print(audio._getArtist())
print(audio._getRecordingDate())
print(audio._getTitle())

【audioread による情報】10-17-2022

オーディオファイルの情報を得る Python モジュールを捜して、一番シンプルな audioread を見つけました。再生時間（秒）を得るだけなら、次のようにしてできます。
```
import audioread
with audioread.audio_open("sample.mp3") as audio:
	duration = audio.duration
print(duration)
```
他の情報は、次のようにして得ました。
```
import audioread
with audioread.audio_open("sample.mp3") as audio:
	channels = audio.channels
	samplerate = audio.samplerate
print(duration)
print(samplerate)
```
他のモジュールと違って with .... as 書式を使いますので、プログラムの書き方に注意が必要でした。
経過秒数を HH:MM:SS 形式で表示するには、次のようにします。
```
import time
s = time.strftime('%H:%M:%S', time.gmtime(1200))
print(s)
```

【MOZC ユーザ辞書ツール】10-24-2022

私は日本語入力に fcitx5-mozc を使っていますが、fcitx が fcitx5 になってから、単語登録やユーザ辞書の設定などが fcitx-config から、いくつかのステップを経ないとたどりつけなくなりました。何かよい方法はないかと調べていましたが、mozc_tool コマンドにオプションをつけて実行すれば、設定ダイアログやユーザ辞書ツールを起動できることが分かりました。
```
$ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog
$ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=dictionary_tool
```
上記をアプリケーション・メニューから実行できるようにするため、次のデスクトップ・ファイルを mozc-dict.desktop の名前で ~/.local/share/applications/ に置きました。
```
[Desktop Entry]
Name=Mozc Dictionary Tool
Exec=/usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=dictionary_tool
Terminal=false
Type=Application
Categories=System;Utility;
StartupWMClass=mozc.dict.config
```

【Chromebook で Linux】10-31-2022

私の Chromebook は Chromebook が出たばかりの 2012年に買った Samsung 製で、CPU は ARM 社のシングルコアです。外出用に使ってきましたが、さすがに実用的でなくなってきたので、今回、AMD A4 デュアルコア CPU を搭載した Acer Chromebook CB311-10H-42LY を買いました。これにしたのは、再生品で、セールスタックスを入れても 100ドル以下だったからです。メモリが４G、ストーレッジは 64G、ディスプレーは 11.6” 1366 x 768 ピクセルで、Type C USB を備えています。CPU は A4-9120C です。これは Intel i3 よりは劣りますが、N3000 よりは優れているようです。
当初は、これに Breath OS を入れて、Linux マシーンとして使う予定でしたが、Chrome OS のコンテナで動く Linux が思ったより良かったので、どこまで実用的に Linux が使えるか試してみることにしました。
Chromebook で Linux を使うには「設定」→「詳細設定」→「デベロッパー」→「Linux 開発環境」に行き、「Linux を ON にする」を実行しました。名前が ”penguin” というホストが出来ました。それをクリックすると、ターミナルが表示されました。
```
USER@penguin:~$
```
というプロンプトが出ましたので、
```
USER@penguin:~$ sudo apt update
USER@penguin:~$ sudo apt upgrade
```
を実行してみました。ディストリビューションは debian bullseye であることが分かり、ファイルが最新のものに更新されました。sudo を使うときパスワードはいりませんでした。
最初にジョークアプリ sl を入れてみました。
```
USER@penguin:~$ sudo apt install sl
```
蒸気機関車がターミナルの右から左へ走るのが見えました。これは、最初から入っているとおもしろいと思いました。
次にターミナルで動くファイルマネージャ Midnight Commander を入れてみました。
```
USER@penguin:~$ sudo apt install mc
```
これは、sudo でも動き、エディタもついていますので、設定ファイルなどを書き換えるのにとても便利でした。エディタの mcedit は単体でも使え、vim よりも使いやすいので重宝しました。
ターミナルでさまざまなコマンドを試してみました。どれも問題なく使うことができました。プログラミング言語には go, perl, python3 などが入っていました。Python のバージョンは 3.9.2 でした。

【Chromebook Linux で GUI アプリ】11-7-2022

Chromebook の Linux で、ターミナルが使えることが分かりましたが、GUI アプリはどうなんだろうと思い、まず、mousepad を apt でインストールしました。問題なくインスールでき、アイコンはアプリ一覧の「Linux アプリ」にありました。アイコンをシェルフに固定させて、デスクトップからすぐ使えるようにしました。
Chromebook Linux にはデスクトップ環境がなく、各アプリは Chrome OS のデスクトップから操作します。Wine で Windows アプリを使うのと似ています。Gnome や KDE、Xfce4 などのデスクトップ環境がないため、各アプリはそれぞれ別々に動き、相互の連携や設定ができません。そういった点では、かなりの制限がありますが、使い方を限定すれば、結構実用になるように思います。この作業によって、Linux のデスクトップ・マネージャーがどんなにうまく組み立てられているかが分かりました。

【Chromeboook Linux で日本語入力】11-14-2022

Chromebook Linux では今のところ「言語設定」のツールがついていません。それで、日本語環境と日本語日本語入力のため、少々面倒な手続きが必要でした。日本語入力にはメイン・マシンと同じ fcitx5-mozc を使うことにし、以下の方法で日本語環境を作り始めました。
```
USER@penguin:~$ sudo localectl set-locale LANG=ja_JP.UTF-8 LANGUAGE="ja_JP:ja"
USER@penguin:~$ source /etc/default/locale
USER@penguin:~$ sudo apt install fcitx5-mozc
USER@penguin:~$ sudo -e /etc/environment.d/fcitx5.conf
```
fcitx5.conf の内容は以下の通りです。mousepad など GUI アプリは sudo では動きませんでしたので、root 権限の必要なファイルの編集には mc（middnight commander）と、それに付属している mcedit を使いました。apt で入れた mc のバージョンは 4.8.26 だったので、ファイル属性の変更などができて、とても助かりました。
```
GTK_IM_MODULE=fcitx5
QT_IM_MODULE=fcitx5
XMODIFIERS=@im=fcitx5
GDK_BACKEND=x11
```
IM の自動起動のため、次のようにしました。
```
echo "/usr/bin/fcitx5 &" >> ~/.sommelierrc
```
ここでいったんログアウトし、再びログインして、Chromebook Linux のターミナルを起動して Linux コンテナを準備してから
```
USER@penguin:~$ im-config
USER@penguin:~$ fcitx5-configtool
USER@penguin:~$ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog
```
を使って IM に fcitx5 が使われているかどうか、fcitx5 で mozc が使われているか、そして mozc の設定が大丈夫かなどを確認しました。私はデフォルトの設定のまま使っていますので、CTRL + SPACE で英語と日本語の切り替えをしました。IM が使えなくなったときは、Fcitx5 のアイコンをクリックするか、ターミナルで
```
USER@penguin:~$ fcitx5 -r &
```
とすれば、できるようになりました。
他のGUI アプリでも fcitx5 が問題なく動作しましたが、Linux コンテナを起動するときに Chromebook Linux のターミナル以外から行うと、日本語入力が母音で確定してしまい、うまく動きません。たぶん、環境変数 GDK_BACKEND=x11 が反映されていないのだろうと思います。それで、Chromebook で Linux を使うときには、Chromebook のターミナルの起動からはじめるようにしています。

【Chromebook でウェブアプリ】11-21-2022

Chromebook で自作ウェブアプリを使うためにまず localhost を作ることからはじめました。ウェブホスティングをするわけではないので、apache2 を入れるかわりに、Python の http.server を使うことにしました。これは、ターミナル上で
```
USER@penguin:~$ python3 -m http.server --bind localhost 8000 --cgi
```
とするだけで、ターミナルを閉じないかぎり、コマンドを入れたディレクトリー上で cgi も使うことができる localhost が動きました。ただし、cgi プログラムは cgi-bin ディレクトリーに置く必要がありました。また、cgi プログラムでファイルを開くとき、ファイルを絶対パスで指定する必要がありました。cgi プログラムには
```
USER@penguin:~$ chmod +x cgi-bin/program.cgi
```
などと、ターミナルで実行属性をつけておくのを忘れないようにしました。
そして、Chromebook の Chrome ブラウザを開き、
```
http://localhost:8000/cgi-bin/program.cgi
```
などとして cgi プログラムを動かしました。Linux 側にブラウザをインストールする必要はありませんでした。Linux ターミナルを起動して localhost を実行したあとは、ブラウザからすぐにウェブアプリを実行でき、とても便利です。
cgi プログラムには Python、Perl とも使うことができました。タイプ名には .py, .pl, .cgi その他、なんでも自由につけることができました。

【Chromebook で SQLite3】11-28-2022

私の作ったウェブアプリには SQLite3 を使ったものがいくつかあります。これを使うため、Chromebook の Linux に sqlite3 を入れました。Python3 には sqlite3 モジュールが標準で準備されていますので、pip でインストール必要はありませんでした。逆にインストールしようとするとエラーになります。SQLite3 データベースファイルは、絶対パスで指定すれば、どこにでも置くことができました。Python と SQLite3 との相性はとても良いです。ついでに sqlitebrowser も apt でインストールしておきました。
Chromebook Linux では Python は python3 と指定しなければならないので、わたしは
```
USER@penguin:~$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/python python /usr/bin/python3 1
```
と指定して、python というコマンド名で python3 が動くようにしました。

【Epub サムネールの復活】12-5-2022

以前、Thunar では EPub ファイルには、EPub のサムネールが表示されていたのですが、それが一般文書用のサムネールに置き換わっていました。長い間放っておいたのですが、Thunar で MIME タイプごとに示されるファイルのサムネールを変更する方法を見つけましたので、試してみました。
サムネールの設定は、~/.local/share/mime/packeages にファイルを作って、指定すればいいことが分かりました。まず、エディタで次のように編集しました。ハイライトしたところに、MIME タイプの epub+zip と拡張子の epub を入れていきました。
```
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<mime-info xmlns="http://www.freedesktop.org/standards/shared-mime-info">
 <mime-type type="application/x-epub+zip">
  <comment>epub file</comment>
  <icon name="application-epub+zip"/>
  <glob-deleteall/>
  <glob pattern="*.epub"/>
 </mime-type>
</mime-info>
```
そしてこれを
```
user-extension-epub+zip.xml
```
のファイル名で保存しました。
それから、次のコマンドでデータベースを更新しました。
```
$ update-mime-database ~/.local/share/mime
```
無事にサムネールを変更することができました。アイコンの拡張子 .svg や .png などは付けなくても大丈夫でした。

【Cover Thumnailer】12-12-2022

~/.local/share/mime/packeages に設定ファイルを置いてファイルのサムネールを変更することができましたが、フォルダーのサムネール変更には、Cover Thumnailer を使いました。これは「音楽フォルダ」の場合、Thunar のフォルダ・アイコンの代わりにアルバムの画像を表示したり、「画像フォルダ」の場合、そのフォルダにある画像をいくつか表示したりするものです。
Git の flozz/cover-thumbnailer にあるインストール方法に従って導入しました。
```
$ sudo apt install gettext python3-pil python3-gi gir1.2-gtk-3.0
$ git clone https://github.com/flozz/cover-thumbnailer.git
$ cd cover-thumbnailer/
$ sudo ./install.sh --install
```
インストール後は、アプリケーション・メニューの「設定」の中に Cover Thumnailer を見つけて実行しました。
こまかく設定すれば、おもしろいかもしれませんが、Thunar が煩雑になるような気がしたので、試しただけで、今は使っていません。でも、何かのときに使うかもしれませんので、アンインストールしないでおきます。

【PdfBooklet】12-19-2022

カラー・インクジェット・プリンターを買いました。これについては、いずれレポートを書きますが、AdobeReader でモノクロ・インクジェット・プリンターでブックレット印刷できたのに、カラー・プリンターではできませんでした。たぶん、AdobeReader の出力をプリンターが解釈できないからなのでしょう。それで、通常のページ順に並んだ PDF をブックレット用にページを入れ替えるアプリ PdfBooklet を github からもらってきて、インストールしました。2019年9月2日の記事に「pdfbooklet をインストールできなかった」と書きましたが、今回はインストールできました。
GUI アプリで、PDF ファイルを開くと、右パネルにブックレット用に並べ替えられたページのサムネールが表示されますので、GO ボタンをクリックすると、オリジナルのファイル名に -bklt という略号がついたファイルが新しく作られ、デフォルトの PDF ビューアーで表示されます。そうしてプリントすれば、新しく買ったカラー・プリンターでもブックレット印刷ができました。今は廃止されている Linux 版の AdobeReader をわざわざインストーしているのは、ブックレット印刷のためだけですので、もう、それはいらなくなりました。
このアプリはブックレットばかりでなく、オリジナルを縮小して1シートに2ページ分や4ページ分を印刷することもできます。パネルにレイアウトが表示されるのは、分かりやすいです。

【2022年の Linux ライフ】12-26-2022

Xubuntu 22.04 へのアップグレードには骨が折れましたが、22.04.1 のポイントリリース版でインストールをやりなおしたら、さまざまな不具合が解消されました。次の LTS にアップグレードするときには、すぐに手を出さないで、3〜6ヶ月待って、ポイントリリースが出てからアップグレードしたほうがよさそうです。
新しい Mousepad は気に入って常用しています。ただ、私の環境では、Ctrl + C によるコピーが、時々効かなくなります。そんなときは、メニュー、あるいは、ツールバーを使うのですが、エディターはキーボードでの操作が一番軽快なので、次のアップデートで改善されることを願っています。
ハードウェアでは、Acer の Chromebook を買いました。Chrome OS の拡張機能で、どこまで Linux が使えるかを試しました。Python の httpd モジュールを使って localhost を動かし、自作のウェブ・アプリを使うところまでこぎつけました。Cromebook でも、エディターには Mousepad を使っています。


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Linux Memo 2022年7～12月分