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Philip の ちょっといい話

ゆとり

 日本には「軽自動車」というものがあります。税金も、維持費も安いし、車庫証明もいらないというので、とくに主婦層に人気があるようです。私も、日本で軽自動車に乗っていました。街中を走るには、すこしも不便は感じないのですが、すこし遠出をするには苦労をしました。今は、もっと性能が良くなったのでしょうが、私の車は馬力がなく、坂道を登る時などは、音ばかり立てるのですが、いっこうに進みませんでした。

 それからアメリカに来ることになり、最初テキサスに行きました。テキサスに来て、最初にしたことは、車を買うことでした。広いテキサスで車がなければ何もできませんでしたから。買った中古車が DATSUN MAXIMA でした。そのころは、NISSAN ではなかったのです。私は、車のことはあまり良く知らないので買ったのですが、車に詳しい人の話では、日本では「ブルーバード」と呼ばれ、カーレースに使う6気筒エンジンを積んでいるとのこと、「良い買い物をした。」と誉められました。

 日本では、軽自動車で雪道を運転していましたので、あまりドライブを楽しいとは思いませんでしたが、MAXIMA を手に入れて、テキサスの、のどかなフリーウェーをドライブするのは、とても楽しいものとなりました。テキサスは全体がフラットで、あまり坂道はありませんが、フリーウェーのジャンクションの登り坂も V6 の威力ですいすい登ってくれます。馬力に余裕があるというのは、すごいことだなと、その時思いました。

 私は、このことを、自分の生活にあてはめてみました。「はたして私は、ゆとりのある生活をしているだろうか。」と。軽自動車で坂道を登るように、精一杯アクセルを吹かして、やっと、進んでいるような生活だろうか、それとも、神さまから V6 エンジンを頂いて進んでいく生活だろうか、そんなことを考えてみました。スケジュールに追われ、物事をこなしていくだけの生活からは、自分を顧みることや、創造的なものを生み出していくことはできません。私にはエンジンの入れ替えが必要な気がします。大きなこころ、強いこころを頂いて、ゆとりをもった生活と仕事をしたいと願っています。そして、そのゆとりは、神さまから来ることを信じています。

 「私が呼ぶとき、答えてください。私の義なる神。あなたは、私の苦しみのときにゆとりを与えてくださいました。私をあわれみ、私の祈りを聞いてください。」(詩篇四篇一節)

(2002年4月)

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