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Christian Doctrine 「教理」と聞くと、多くの人は敬遠します。現代は教義的なことが嫌われ、「心情」的なことが好まれます。それで教会で教理が教えられるよりは、「心温まる話」「元気が出る話」が語られるようになっています。聖書は「真理」の体系であるのに、「心理」の書物として扱われ、教会は「信条」に立つよりも、「心情」に流されてしまうのです。 教会で教理が重んじられないのは、学ぶ側に問題があるとともに、それを教える側にも責任があると思います。教理や神学を「難しいもの」、「退屈なもの」、「日常からかけ離れたもの」であるかのように思わせたのは、神学教師や牧師たちの教え方に工夫が足らなかったのにも一因があると思います。 では、教理の学びがおもしろくなるような本、神学が単なる頭脳のエクササイズではなく、神の愛と恵みに感動することであることを教えている本は、数多くあります。C. S. Lewis, J. I. Packer, Paul Little などの著作は真理発見の喜びに満ちています。私は、そうしたものに Guthrie のこの本を加えたいと思います。 この本はxxxx年に教会学校の成人クラスのために書かれました。その間、時代がかわり、クリスチャンはさまざまな現代思想にさらされることになりました。私が手にしているのは改訂版ですが、ここでは、聖書の教理から現代の諸問題を考え、現代の諸問題から聖書の教理を考えるという姿勢が強く打ち出されています。そして、いままで習ってきた教理を再検討する必要があるというさえも言っています。たとえば、神の超越性と内在性、地球環境の問題などにも積極的に触れていますし、各章の設問もきわめて現代的です。 この本は桑原 昭によって日本語に訳され、2003年に一麦出版社から『一冊でわかる教理』として4500円で発売されています。しかし、神学が日常の話題になることのない日本の読者には、こここで取り上げられている今までの教理概念の再検討ということがどこまで理解されるかは疑問です。再検討すべきものを持っていない人々にはすこしばかり混乱を与えるかもしれません。しかし、その混乱も、神の真理をもって自らに問いかけることへと人々を導いてくれることでしょう。良い指導者によってテキスト・ブックとして用いられるなら、この本は、きわめて有益な教理の教科書となるでしょう。 {著者| 書名| 出版社・出版年| ISBN|}
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