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ゆるがない土台 9月11日、アメリカの年の歴史でかってなかった大惨事が起こりました。ニューヨークで、ワシントンで世界各国の七千人もの人々が命を落としたのです。これは関西大震災で亡くなられた方々の数を上回わるもので、アメリカのみならず、世界の平和に、政治に、経済に大きな影響を与えるものとなるでしょう。 大統領は9月14日を「全米祈りの日」とし、それぞれが自分の教会で、あるいは最寄の教会で祈りをささげるようにと呼びかけました。この呼びかけに応じて、私たちの教会でも正午に祈りの時を持ち、日曜日の礼拝とかわらないほど多くの方々が集まりました。午後7時にキャンドルライトサービスをした教会も多くありました。 ニューヨークのワールド・トレード・センターのタワーは崩れ去りましたが、大統領やビリー・グラハムが言うようにアメリカの土台が崩れたわけではありません。多くの方々が献血に協力し、レッドクロスに募金をしています。多くのボランティアがニューヨークに駆けつけています。国を挙げて助け合い、支えあう「隣人愛」がアメリカには生きています。そして、その隣人愛を生み出す「神への信仰」というアメリカのバックボーン、建国の精神、国家の土台がいまだに揺るいでいないことが、今回の大惨事に対する人々の応答の中に見られるのは、うれしいことです。 イエス・キリストは、ある時、「だから、わたしのこれらのことばを聞いてそれを行なう者はみな、岩の上に自分の家を建てた賢い人に比べることができます。」(マタイの福音書7:24)と仰って、「岩の上に家を建てた人」と「砂の上に家を建てた人」のことを話されました。ひとりの人は、家を建てる時に、堅い岩盤に達するまで掘ってそこに基礎を築きました。しかし、もうひとりの人は、十分な基礎づくりをしないで家を建てました。やがて、嵐になり、洪水が両方の家に押し寄せました。十分な基礎を置かなかった人の家はたちまち倒れましたが、岩を基礎にした人の家は大丈夫でした。イエスは、ご自分の教えの上に人生を築くなら、その人生は揺るがないものになると言われたのです。 砂の上に家を建てた人は、岩の上に家を建てた人よりも簡単に、しかも早く家を建てることができたでしょう。基礎工事のためにあまりお金を使わずに済んだことでしょうから、豪華な家を建てることができたかもしれません。岩の上に家を建てた人は、砂の上に家を建てた人よりも何倍も苦労し、家が出来上がるまで長い期間かかったかもしれません。目に見えない基礎工事にお金をつぎ込みましたから、質素な家しか建てられなかったかもしれません。しかし、岩の上に家を建てた人、確かな土台を持っていた人の知恵は、やがて誰の目にも明らかになり、その労苦は報われたのです。 人生においても、多くの人は、目に見えない人格を育てることよりも、目に見える学歴や地位を追い求めています。順調な時には人生の土台に無関心かもしれませんが、困難な時、逆境の時には、人生の土台が問われます。個人も、家庭も、社会も、それぞれ揺るがない土台が必要です。あなたの土台は人生の嵐にも耐えられるでしょうか。 (2001年10月)
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