復活の恵み

コリント第一15:6-11

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15:6 その後、キリストは五百人以上の兄弟たちに同時に現われました。その中の大多数の者は今なお生き残っていますが、すでに眠った者もいくらかいます。
15:7 その後、キリストはヤコブに現われ、それから使徒たち全部に現われました。
15:8 そして、最後に、月足らずで生まれた者と同様な私にも、現われてくださいました。
15:9 私は使徒の中では最も小さい者であって、使徒と呼ばれる価値のない者です。なぜなら、私は神の教会を迫害したからです。
15:10 ところが、神の恵みによって、私は今の私になりました。そして、私に対するこの神の恵みは、むだにはならず、私はほかのすべての使徒たちよりも多く働きました。しかし、それは私ではなく、私にある神の恵みです。
15:11 そういうわけですから、私にせよ、ほかの人たちにせよ、私たちはこのように宣べ伝えているのであり、あなたがたはこのように信じたのです。

 一、キリストの復活

(イエス)「父よ、できるなら、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。…どうしても飲まなければならないのなら、みこころの通りになさってください。」
イエスさまは十字架を前にして神さまに祈りました。イエスさまの額からは血の汗が流れ出しました。

(イエス)「誘惑に陥らないように、目をさまして、祈っていなさい。」
イエスさまはそうおっしゃって、弟子たちを起こしました。イエスさまを捕まえようとうする人たちが、すぐそこまで来ていたからです。

(ユダ)「いいか、わたしが合図する人がイエスだ。まちがえなく捕まえるのだ。」
ユダは、イエスさまを殺そうとする人からお金をもらって、イエスさまを裏切ったのです。

(群衆)「この人は自分は神の子だと言っていました。」
(大祭司)「なに、けしからん。大工の子が神の子であるわけがない。死刑じゃ。」
大祭司はそう言ってイエスさまをローマ総督ピラトのところに送りました。
(群衆)「この人は自分がユダヤの王だと言って、ローマ皇帝に逆らいました。」
みんなはそう言って訴えましたが、ピラトはイエスさまにどんな罪も認めることができませんでした。
(群衆)「十字架につけろ。十字架につけろ。」
ピラトは人々の声に負けて、イエスさまを兵士たちに渡しました。

(兵士)「ユダヤ人の王さまばんざい。」
兵士たちは、イエスさまを裸にしてムチを打ち、さんざん痛めつけました。また、、イエスさまに鋭いトゲのついた茨の冠をかぶせて、イエスさまをからかいました。

イエスさまは重い十字架を背負って、カルバリの丘を登っていきました。弱り切っておられたイエスさまは、何度も倒れ、もう十字架を背負えなくなりました。イエスさまのかわりにシモンという人が十字架をかつぎました。

イエスさまは朝9時に十字架につけられました。正午12時からあたりは急に暗くなり、午後3時、地震が起こり、イエスさまは息を引き取りました。すると、あたりは再び明るくなりました。
(百人隊長)「この人は、ほんとうに神の子だった。」
たくさんの不思議な出来事を見た百人隊長は、思わず、そう言いました。

ユダヤの議員にもイエスさまを信じていた人がいました。その中のひとり、ヨセフは、ピラトに、イエスさまを自分の墓に葬りたいと願い出て許されました。同じようにイエスさまを信じていたニコデモも香油を持ってきて、イエスさまを墓に納めました。
「ゴロ、ゴロ、ギー、ギー、ドシン。」
ローマの兵士たちが来て、墓の入り口を大きな石で塞ぎました。
(兵士)「おい、墓に近づいてはいかんぞ。さあ、早く家に帰れ。」
そう言って兵士たちは、墓の番をしました。
金曜日の夕方から安息日になるので、女の人たちは、イエスさまのお墓を見届けてから家に帰り、日曜日になるのを待っていました。

日曜日の朝早く、女の人たちがイエスさまのお墓に向かっていました。
(女一)「イエスさまのおからだに塗るために香油を持ってきたけど、わたしたち、墓に入れてもらえるかしら。」
(女二)「そうね。あの怖い兵隊たちがいたら、だめかもね。」
お墓につくと、兵隊たちはおらず、入り口の石も動かされていました。
(天使)「イエスさまはここにはおられません。復活されたのです。さあ、このことを弟子たちに知らせなさい。」
天使の言葉を聞いて、女の人たちは、弟子たちのところに行きました。

(マリヤ)「お墓が空っぽだわ。誰かがイエスさまをどこかに持っていったのだわ。どうしよう。」
あとから来たマグダラのマリヤは、空っぽの墓を見て、泣いていました。
(イエス)「マリヤ。」
マリヤがふりかえると、そこにイエスさまがおられました。復活されたイエスさまにお会いしたマリヤも、イエスさまが生きておられることを弟子たちに伝えました。

イエスさまは、弟子たちが集まっているところに現われて、ご自分が生きておられることを示しました。でも、そのときトマスはそこにいませんでした。
(トマス)「いや、おれは信じない。おまえたちは、イエスさまに似た人を見たんだろう。その手に十字架につけられたときの釘あとを見、槍でさされた脇腹の傷にさわってみなければ、信じない。」
トマスはそう言いはりました。すると、イエスさまが入って来られ、トマスにその手を差し出し、脇腹の傷をお見せになりました。
(イエス)「信じない者にならないで、信じる者になりなさい。」
イエスがそうおっしゃると、トマスも
(トマス)「わたしの主。私の神。」
と言ってイエスさまを礼拝しました。

(イエス)「わたしは、ずっと生きていて、いつも、あなたがたといっしょにいる。だから、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。」
弟子たちはイエスさまの言葉のとおり、人々にイエスさまのことを話し、信じた人にバプテスマを授け、人々を教えました。そして、大勢の人がイエスさまの弟子となりました。

 二、キリストの復活

ステパノという人は、イエスさまの弟子の中でも、特別な力をいただいだすぐれた人でした。

(ステパノ)「イエスさまは生きておられます。神の子で私たちの救い主です。」
こう言って、ステパノは人々にイエスさまのことを教えていました。
イエスさまを殺した人々はステパノを憎んで議会に連れてきました。
ステパノは少しも恐れることなく、イエスさまのことを話しました。

そのためステパノは石で打たれて殺されることになりました。人々は上着を脱いで、サウロという若者に預け、ステパノめがけて大きな石をどんどん投げつけました。
(ステパノ)「主よ。この罪を彼らに負わせないでください。」
ステパノはイエスさまと同じように、自分を苦しめる人たちのためにお祈りをして、息絶えました。

その日からエルサレムで、イエスさまを信じる人たちが次々と捕まえられました。サウロは、十字架で死刑になった人がキリストであるわけがないと思っていたので、イエスさまを信じる人たちを捕まえては牢屋に入れることに夢中になっていました。

(サウロ)「大祭司様、イエスをキリストだと言う者がダマスコの町に大勢います。私が捕まえに行ってきましょう。」
(大祭司)「サウロ、頼むぞ。あいつらを捕まえても良いという手紙を書いてやろう。それから君の仕事を手伝う者もいっしょに行かせよう。一人残らず捕まえてくるのじゃ。」

(仲間1)「今度はずいぶん遠くまで行くんだなぁ。」
(仲間2)「イエスを信じるやつらはすごい勢いで増えているそうだ。」
(サウロ)「あいつらは、ユダヤ人の恥だ。懲らしめてやらないと、みんながイエスを信じてしまう。」
仲間と話しながら、サウロはダマスコに向かいました。町はもうすぐです。

(サウロ)「あっ、これはなんだ!」
突然、天から、強い光が、サウロを包みました。サウロは目がくらみ、地面に倒れてしまいました。

(イエス)「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか。」
(サウロ)「主よ、あなたは、どなたですか?」
(イエス)「わたしは、あなたが迫害しているイエスです。さあ、立って、町に入って行きなさい。そこで、あなたのすることがわかります。」

いっしょにいた仲間も、その声を聞きましたが、話しかけている人の姿は見えませんでした。
サウロは目が見えなくなっていたので、仲間がサウロを町に連れて行きました。 こんな不思議なことが起こったので、サウロは町に入っても、イエスさまを信じている人たちを捕まえることはできません。
サウロは三日間、食べたり飲んだりしないで、自分に現れたイエスさまのことを考えていました。

(イエス)「アナニヤよ、サウロという若者のところに行きなさい。わたしは、サウロに、あなたが来て、手を置いて祈ると目が見えるようになると、幻によって教えておいた。」
(アナニヤ)「イエスさま、その人は、私たちを捕まえるために来たのです。あの人がエルサレムで、あなたを信じる人たちに、どんなにひどいことをしたかを聞いています。」
(イエス)「その通りです。しかし、サウロは、わたしのことを多くのひとびとに伝える人になるのです。さあ、行って、サウロのために祈ってあげなさい。」

(アナニヤ)「サウロ、わたしはダマスコの町の牧師、アナニヤです。あなたに現れたイエスさまがわたしをここに来させました。あなたが見えるようになり、聖霊に満たされるためです。」

アナニヤが祈ると、サウロの目からうろこのようなものが落ちました。
(サウロ)「あっ、見えます!! イエスさまがキリストであることが分かりました。私も、イエスさまを信じます。私にバプテスマを授けてください。」
アナニヤからバプテスマを受けたサウロは、食事をして元気になり、ダマスコの教会に迎え入れられました。

(サウロ)「みなさん、わたしは、イエスさまを信じる人をさんざん苦しめてきました。けれども、イエスさまはこんな罪深いわたしにも現れ、わたしを赦してくださいました。イエスさまは今も生きておられる、恵み深い救い主です。みなさんも、イエスさまを信じれば、私のように生まれ変わり、新しい人間になれるのです。」
サウロはさっそくイエスさまのことを話しました。サウロはのちに、パウロという名前になって、多くの人にイエスさまのことを教える「使徒」となりました。

みなさん、これが、復活の恵みです。わたしたちも、復活されたイエスさまを信じるなら、新しいいのち、永遠の命をいただき、新しい心と新しい生活をいただくことができるのです。

 (祈り)

 天のお父さま、イエスさまをよみがえらせてくださったことをありがとうございます。イエスさまがわたしたちの救い主になってくださることを感謝します。今、こころを開いてイエスさまを迎え入れます。わたしたちの生活の中にお迎えします。どうぞ、イエスさまのいのちで生かしてください。わたしたちの日々を、イエスさまのいのちで新しくしてください。とうとい救い主、よみがえられたイエス・キリストのお名前て祈ります。

3/31/2013