Linux Memo

【ウェブ・アプリ事始め】7-3-2023

私は長く Perl で CGI プログラムを書き、次に Python で書いてきましたが、Golang の書きやすさが分かるようになって、Golang でウェブ・アプリを作ろうと思い立ちました。CGI は、ウェブサーバーに小さなプログラムを仕込み、HTML からのリクエストに応じて、そのつどそれを動かし、結果を返すものです。正確な言い方ではありませんが、CGI はブラウザでプログラムを動かし、ウェブ・アプリはアプリでブラウザを動かすといったものです。私は PC 上に Apache で Localhost を作り、Python で書いた CGI プログラムを動かして使う「ウェブ・アプリもどき」を作ってきました。
「もどき」でも結構役に立っているのですが、これを他の人に使ってもらうには、ウェブページにアップロードしてアクセスしてもらうか、私と同じ環境を、その人の PC に作ってもらう必要があり、後者はプログラミングをしない人にはとてもハードルの高いものとなります。ウェブ・アプリもブラウザ上で動くものですが、アプリ自体にサーバ機能があり、単体で動きますので、ZIP などで圧縮したファイルを展開してもらい、コマンドをクリックしてもらうようにできます。Golang は実行ファイルを作ることができるので、この用途には最適と思います。Linux で書いた Golang のプログラムは Windows PC でコンパイルすれば、.exe ファイルを作ってくれるので、Windows ユーザにもアプリを使ってもらえます。

ウェブ・アプリで最初に試したのは Comptus Paschalis（イースターの日付計算）でした。全体の構成は次のようにしました。

EasterDate
	main.go		メインプログラム・ソース
	main		ビルドした実行ファイル
	start.sh	スタート・スクリプト
	index.html	スタート画面
	result.html	結果表示画面
	readme.txt	説明ファイル

start.sh は次のように書きました。
```
#/bin/bash
/usr/bin/xdg-open index.html
go run main.go
```
上記では、xdg-open を使って index.html をブラウザに表示させ、そのあと main.go を動かしています。Windows PC のためにはファイル名を start.bat とし、main.go から main.exe を作った上で、次のように書きました。
```
start index.html
.\main.exe
```

index.html には「年」を記入するだけの簡単なスクリプトを次のように書きました。process は main.go に記述します。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
</head>
<body bgcolor='honeydew'>
<h3>Find Easter Date</h3>
<form action='/process' method='post'>
Year: <input type='text' name='year' style='width:4em'>
<button type='submit'>Send</button>
</form>
<br>
</body>
</html>

result.html は結果を表示するものですが、別の「年」を記入するのに start.html に戻らなくてもよいように、「年の入力フォーム」をそのままにして、そのあとに、template 機能を使った結果表示のスクリプトを書きました。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
table { border-collapse: collapse; }
th { text-align:center; font-size:14pt; font-weight:bold; color:white; background-color:green; }
td { padding:0 1em }
</style>
</head>
<body bgcolor='honeydew'>
<h3>Find Easter Date</h3>
<form action='/process' method='post'>
Year: <input type='text' name='year' style='width:4em'>
<button type='submit'>Send</button>
</form>
<br>
Results:<br />
<br />
<table>
<tr><th colspan='2'>{{.YR}}</th></tr>
<tr bgcolor='violet'><td>Ash Wednesday</td><td>{{.AW}}</td></tr>
<tr bgcolor='white'><td>Easter</td><td>{{.EA}}</td></tr>
<tr bgcolor='red'><td>Pentecost</td><td>{{.PE}}</td></tr>
</table>
<br />
</body>
</html>

template 機能では {{.key}} に main.go の連想配列（map）で指定した値が入ります。

【ウェブ・アプリのメインルーチン】7-10-2023

さて、いよいよウェブ・アプリのメインルーチンですが、イースターの日付を得る部分は以前作ったものをそのまま使いました。

func findEaster(year int)(int, int) {
	a := year % 19
	b := year / 100
	c := year % 100
	d := b / 4 
	e := b % 4
	f := (b + 8) / 25 
	g := (b - f + 1) / 3 
	h := (19 * a + b - d - g + 15) % 30
	i := c / 4 
	j := c % 4
	k := (32 + 2 * e + 2 * i - h - j) % 7
	l := (a + 11 * h + 22 * k) / 451 
	month := (h + k - 7 * l + 114) / 31 
	day := ((h + k - 7 * l + 114) % 31) + 1
 
	return month, day
}

これに加えて、イースターの40日前の「灰の水曜日」と50日後の「ペンテコステ」の月日も次で得るようにしました。

func findOthers(y, m, d, offset int) (int, int, int) {
    t := time.Date(y, time.Month(m), d, 0, 0, 0, 0, time.UTC)	
	t2 := t.AddDate(0, 0, offset)
	year := t2.Year()
	month := int(t2.Month())
	day := t2.Day()
 
	return year, month, day
}

y, m, d はイースターの日付です。t.AddDate(0, 0, offset) の offset に「灰の水曜日」の場合は "-46" を、「ペンテコステ」の場合は "49" を指定します。

次は、入力画面を表示する部分です。アプリが起動すると、最初に index.html が表示されるようにしました。

func HandlerInput(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
	template := template.Must(template.ParseFiles("index.html"))

	values := map[string]string{}

	err := template.ExecuteTemplate(w, "index.html", values)
	if err != nil {
		log.Fatalln(err)
	}
}

次は、結果を表示する部分です。

func HandlerProcess(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
	template := template.Must(template.ParseFiles("result.html"))
	yearstr := r.FormValue("year")
	year, _ := strconv.Atoi(yearstr)
	month, day := findEaster(year)
 	
	ayear, amonth, aday := findOthers(year, month, day, -46)
	AW := fmt.Sprintf("%d - %02d - %02d", ayear, amonth, aday)
	EA := fmt.Sprintf("%d - %02d - %02d", year, month, day)
	pyear, pmonth, pday := findOthers(year, month, day, 49)
	PE := fmt.Sprintf("%d - %02d - %02d", pyear, pmonth, pday)
	YR := fmt.Sprintf("%d", year)

	values := map[string]string{
		"AW" : AW,
		"EA" : EA,
		"PE" : PE,
		"YR" : YR,
	}
 
	err := template.ExecuteTemplate(w, "result.html", values)
	if err != nil {
		log.Fatalln(err)
	}
}

form からの year は文字配列で送られてきますので、yearstr := r.FormValue("year") で year の値を取り出し、year, _ := strconv.Atoi(yearstr) で整数に変換しました。計算結果（value）に key を付け、 map （連想配列）に格納しました。これを template 機能を使って、result.html では、{{.key}} の中に値（value）を出力させました。

ここまでできれば、あとは func main() を書くだけですが、これは、きわめて簡単で、次のようにしました。
```
func main() {
	http.HandleFunc("/", HandlerInput)
	http.HandleFunc("/process", HandlerProcess)
	http.ListenAndServe(":8080", nil)
}
```
これらのコードは改良の余地がいくらでもあるのですが、一応問題なく動いてくれたので、main.go をビルドし、start.sh の go run main.go を ./main に書き替えて、go に頼らずに実行できるようにしました。なお、main.go には次を import する必要がありました。
```
import (
	"fmt"
	"html/template"
	"log"
	"net/http"
	"strconv"
	"time"
)
```

【ffprobe で再生時間を得る】7-17-2023

2023年5月29日と6月5日の記事に、mp3 ファイルの再生時間を得るプログラムを紹介しました。ひとつは bash で、もうひとつは pwsh で書きましたが、両者とも、再生時間を得るのに mp3info を使っています。その後、ffprobe でも再生時間を得られることを知りました。ffprobe なら、たいていの Linux はもちろん、Windows でもダウンロードして使うことができるので、pwsh のプログラムの mp3 ファイルの再生時間を得るプログラムの Function findPlayTime() 部分を次のように書き改めました。
```
Function findPlayTime($mp3file) {
	$out = & ffprobe -v error -show_entries format=duration -of default=noprint_wrappers=1:nokey=1 $mp3file
	$seconds = [double]$out
	$sec = [int]$seconds
	$min = [int]($sec / 60)
	$sec = $sec % 60
	return $min, $sec
}
```
ffprobe はそのまま実行すると、たくさんのメタデータを画面に出力します。しかし、上記のようにオプションをつけると再生時間だけを秒数で得ることができました。$out は文字列ですので、float(double) 数値に変換し、それをさらに int（整数値）に変換しました。「秒」を「分」に、「分」を「時」に換え、「分」と「秒」を返しています。
ffprobe なら、mp4 動画ファイルの再生時間も調べることができるので、動画のファイル名を再生時間を加えたものに変更したり、フォルダー内の動画の再生時間合計を表示するプログラムも作ってみました。ffprobe を golang で使うとき、次のような関数を書きました。
```
func findPlayTime(mp4file string)(int, int, int) {
	app := "ffprobe"
	args := []string{"-v", "error", "-show_entries", "format=duration", "-of", "default=noprint_wrappers=1:nokey=1", mp4file}
	cmd := exec.Command(app, args...)
	out, err := cmd.Output()
	if err != nil {
        log.Fatal(err)
    }
	result := string(out)
	result = strings.TrimRight(result, "\n")
	seconds, err := strconv.ParseFloat(result, 8)
	sec := int(seconds)
	min := sec / 60
	sec = sec % 60
	hur := min / 60
	min = min % 60
	return hur, min, sec
}
```
cmd.Output で得られる out は byte で返ってくるので、string(out) で string にしました。ところが、これは末尾に '\n' を含んでいるので、strings.TrimRight で '\n' を取り除いてから strconv.ParseFloat で数値に直しました。秒以下を切り捨てるため、int を使って整数値にして、再生時間を seconds で得てから、hur, min, sec を得るようにしました。最初、何度やっても再生時間の数値が '0' になるので、おかしいと思い、'\n' を取り除かなければならないことに気付きました。
ffprobe は Python でも使うことができますが、Python には cv2 モジュールがあって、それを使ったほうが簡単かと思います。そのコードは 2022年2月14日の記事に載せてあります。そのとき、cv2 モジュールは pip でインストールできましたが、今では、各ディストリビューションに調整されたものを apt で導入するようになっています。私は、次のコマンドを使いました。
```
$ sudo apt install python3-opencv
```

【SubexpIndex を使う】7-24-2023

Golang の正規表現でマッチした要素を取り出すに、私は次のようにしています。

func main() {
	date := "June 12, 2023"
	re := regexp.MustCompile(`^([A-z]+) ([0-9]+), ([0-9]+)$`)
	group := re.FindStringSubmatch(date)
	month_str := group[1]
	date_str := group[2]
	year_str := group[3]
	fmt.Printf("%s %s, %s\n", month_str, date_str, year_str)
}

これでとりたてて不便はないのですが、2023年6月12日の記事に、各要素に名前をつけ、名前で取り出す方法を書きましたので、それと同じことが golang でもできないだろうかと調べてみました。そして見つけたのが SubexpIndex を使う方法でした。
```
func main() {
	date := "June 12, 2023"
	re := regexp.MustCompile(`^(?P<month>[A-z]+) (?P<day>[0-9]+), (?P<year>[0-9]+)$`)
	group := re.FindStringSubmatch(date)
	month_str := group[re.SubexpIndex("month")]
	date_str := group[re.SubexpIndex("day")]
	year_str := group[re.SubexpIndex("year")]
	fmt.Printf("%s %s, %s\n", month_str, date_str, year_str)
}
```
?P<month> ?P<dat> ?P<year>でパターンに名前をつけておいて、group[1] group[2] group[3]の代わりにgroup[re.SubexpIndex("month")] group[re.SubexpIndex("day")] group[re.SubexpIndex("year")]のように、group の要素をパターンの名前で取り出しています。コード量が増えますが、要素の指定が明確になります。

【Golang の論理演算】7-31-2023

Golang では、前の年月と次の年月を求めるのに次のような論理演算を使うことができません。month == 1 や month == 12 の結果は Bool 値、True か False で返ってくるからです。

year := 2023
month := 1
prevyear := year - (month == 1)
prevmonth := month - 1 + 12 * (month == 1)
nextyear := year + (month == 12)
nextmonth := month + 1 - 12 * (month == 12)

代わりに if 文を使います。

var (
	year int
	month int
	prevyear int
	prevmonth int
	prevyear int
	prevmonth int
)
year = 2023
month = 1
if month == 1 {
	prevyear = year - 1
	prevmonth = 12
} else {
	prevyear = year
	prevmonth = month - 1
}
if month == 12 {
	nextyear = year + 1
	nextmonth = 1
} else {
	nextyear = year
	nextmonth = month + 1
}

if 文を使わないで、論理計算的に前の年月と次の年月とを得るため、次のようにしてみました。
```
package main
import (
	"fmt"
)
func check1(month int) (int) {
	if month == 1 {
		return 1
	} else {
		return 0
	}
}
func check12(month int) (int) {
	if month == 12 {
		return 1
	} else {
		return 0
	}
}
func show(year, month int) {
	prevyear := year - check1(month)
	prevmonth := month - 1 + 12 * check1(month)
	nextyear := year + check12(month)
	nextmonth := month + 1 - 12 * check12(month)
	fmt.Println("Now:", year, month, " Prev:", prevyear, prevmonth, "Next:", nextyear, nextmonth)
}
func main() {
	year := 2023
	for month := 1; month <= 12; month++ {
		show(year, month)
	}
}
```
func check1 で、month が 1 であるかどうかを判定し、func check12 では month が 12 であるかどうかを判定し、それぞれ True なら 1、False なら 0 を返しています。数値に 1 を掛けてももとの数値のままですが、0 を掛ければ 0 になるのを利用して if 文なしで、求めている数値を得るようにしてみました。Golang になくても他の言語にある書式に似せて書くことができることが分かりました。

【ナチュラル・ソート】8-7-2023

次のように並んでいる日付をソートしても、月日順には並びかわりません。
```
12月8日
12月25日
1月2日
1月15日
5月5日
```
「ナチュラル・ソート」という手法を使う必要があるのですが、そんなに多用するわけではないので、面倒なコードを書かないで、月と日の数値を取り出してソートキーを作り、それを先頭においてソートし、ソートした後はソートキーを取り除いてもとに戻すという方法を使いました。

次のようなコードになりました。

package main
 
import (
	"fmt"
	"regexp"
	"sort"
	"strconv"
	"strings"
	)
 
func get_sortkey (line string) (string) {
	// 月日の数字を取り出す
	re := regexp.MustCompile(`([\d]+)月([\d]+)日`)
	group := re.FindStringSubmatch(line)
	// 数字から数値を得る
	month, _ := strconv.Atoi(group[1])
	day, _ := strconv.Atoi(group[2])
	// 数値を数字に戻しソートキーをつくる
	sortkey := fmt.Sprintf("%02d%02d", month, day)
 	// ソートキーを返す
	return sortkey
}
 
func main() {
	datelines := []string {"12月8日", "12月25日", "1月2日", "1月15日", "5月5日"}
	fmt.Println("Original:")
	for i, dateline := range datelines {
		fmt.Println(dateline)
		// ソートキーを得る
		sortkey := get_sortkey(dateline)
		// ソートキーをデータの先頭につけ、データに格納
		datelines[i] = sortkey + "," + dateline
	}
	// ソートする
	sort.Strings(datelines)
	fmt.Println("Sorted:")
	for i, dateline := range datelines {
		// ソートキーを切り離し、元アイテムを得る
		items := strings.Split(dateline, ",")
		dateline = items[1]
		fmt.Println(dateline)
		// 元アイテムをデータに戻す
		datelines[i] = dateline
	}
}

【LibreOffice の傍点機能】8-14-2023

LibreOffice でも日本語文書はほぼ問題なく扱うことができるのですが、傍点を打とうとすると、一文字づれ、傍点が行をまたぐ場合、それが正しく処理されないなどの問題が起こりました。
それで、傍点のかわりにルビを使うことにしました。「書式」→「ルビ」を選び、ルビ記入ボックスを開いたままにして、ルビを打ちたい文字を選択し、ルビ文字に「ヽ」（30FD/12541-Katakana Iteration Mark）を選びました。PDF で確認しても、よく見られる傍点のように表示されました。現在使用している LibreOffice のバージョンは 7.5.4.2 ですが、バージョンアップによって改善されるまでは、この方法を使うことにしました。

【MarkText】8-21-2023

Micro Editor にプラグインを組み込みましたが、使い方が分からなかったので、~/.config/micro/plug にある READNE やヘルプ・ファイルを読もうとしましたが、マークダウン形式で書かれていました。テキスト・エディターでも読むことができるのですが、せっかくですから、マークダウン・エディターを使って読むことにしました。
私が試したのは MarkText で、Linux 版は AppImage で提供されていました。起動して画面に .md ファイルをドロップするだけで、きれいに表示されました。
pandoc を入れると、epub, doc, html, pdf ファイルなどをインポートできますが、私にとっては、あまり実用的ではありませんでした。むしろ、html や pdf へのエクスポートのほうが役立ちそうです。簡単な書類なら LibreOffice を使わなくても、MarkText で書いて pdf にすれば手軽です。

【Micro の検索・置換機能】8-28-2023

Chromebook の Linux 環境では、GUI のエディタでなくても、ターミナルで動くエディタのほうが、日本語入力の設定をしなくても、ChromeOS の日本語入力機能がそのまま使えて便利です。ターミナルで使うエディタには Pico やら Nano といったものがありますが、Micro もあることを知り、今、それを使っています。pico は 10 の −12 乗、nano は −9 乗、micro は −6 乗ですから、数値がだんだん大きくなっています。micro の後継プログラムは milli、そのまた後継は centi、そして deci になるのでしょうか。おもしろい命名だと思いました。
micro の特徴はマウスが使えること、GUI エディタと同じようなキーバインドで、コピー、カット、ペーストができることです。検索も、Ctrl + F を押して、検索文字を入れ、リターンを押せばできます。Ctrl + P で前方向に、Ctrl + N で後方向に検索をかけられます。
置換の場合は、Ctrl + E で、コマンドプロンプトを表示してから `replace disc square` のように、「コマンド」「対象文字列」「置換文字列」を記入しなければなりませんでした。しかも、対象文字や置換文字が日本語の場合は、置換はできるのですが、コマンドラインに正しく文字列が表示されませんでした。それは、検索の場合も同じでした。コマンドラインでは「↑」キーで前回入力したものを呼び出すことができました。行の折返しは `set softwrap on` で、文字の配色テーマ設定は `set colorscheme simple` などとして設定できました。プラグインの多くも、コマンドラインから呼び出します。ただし、Ctrl + E で呼び出せるコマンドは、Micro の内部コマンドだけで、シェルコマンドを呼び出すには Ctrl + B を使います。ls、wc などを使うことができますが、リダイレクト（>）やパイプ（|）は使えませんでした。

【Micro Editor Colorschemes】9-4-2023

Micro Editor の配色テーマには、ターミナルが扱うことができる色数に応じて、16 color、256 color（24-bit）、True color の3 種があります。一覧は次の通りです。

16 color:
    simple
    solarized
    cmc-16
    cmc-paper
    geany
256 color:
    monokai (default)
    zenburn
    gruvbox
    darcula
    twilight
    railscast
    bubblegum (light theme)
True color:
    solarized-tc
    atom-dark
    cmc-tc
    gruvbox-tc
    material-tc

【絵文字を使う】9-11-2023

絵文字は、スマートフォンだけでなく PC でも使われるようになりました。最初に gnome-characters を apt でインストールして試してみました。gnome-characters では絵文字以外の「句読点記号」、「矢印記号」、「見出し記号」、「シンボル」、「通貨記号」、「数学記号」、「文字記号」なども入力できました。「文字記号」のリストは「未割り当て」が多すぎで、「罫線」などを探せませんでした。単一の Unicode だけで表示される文字は、それを選ぶと Unicode を表示してくれましたが、Unicode の組み合わせでできているものは、できませんでした。それには、最後に紹介する Python スクリプトを使います。また、検索ボックスに Unicode を記入して検索すると、文字が表示されました。ところが、これを入れたあと、今までのフォントが別のものに変わってしまいました。それで、残念ながら、これはアンインストールしました。
次に、絵文字ピッカー Emote を flatpak からインストールしました。Emote の表示/非表示は Ctrl + Alt + E で行います。絵文字をクリックすると、それが使っている編集画面に挿入され、Emote の画面は閉じられます。複数の絵文字を選ぶには Shitf + MouseClick を使います。これらはシステムのクリップボートに入りますので、Ctrl + V で挿入できます。Emote は常駐プログラムとして働くわけではないので、ログアウトすれば、もういちど起動しなければなりません。絵文字はそんなに使うわけではないので、この仕様で問題ないと思っています。
mousepad で文章を書いているとき、意図せずに、CTRL + .（ピリオド）を押してしまいました。すると、絵文字の一覧が出てきました。CTRL + .（ピリオド）で絵文字の一覧から入力できるという、とても簡単な方法を見つけました。他のエディタでも使うことができるかどうか試してみましたが、この方法は mousepad でしか使えませんでした。
Chromebook で絵文字を使うには仮想キーボードが起動するようにして、そこから選んでもよいのですが、エディターへの入力のたびに仮想キーボードが出てくるのが煩わしかったので、別の方法を捜しました。
その方法は、シェルフに「入力オプションを表示」させる方法です。入力オプションのアイコンをクリックすると、英語、日本語の他、絵文字オプションもそこに示され、絵文字を一覧から選ぶことができます。「入力オプションを表示」させるには、ログインしてから、「設定」→「ユーザ補助機能」→「キーボードとテキスト入力」→「キーボードの設定」→「入力設定の変更」→「シェルフに入力オプションを表示」でできました。パネルの「スマイリー」アイコンをクリックすると絵文字の一覧が現れ、そこから絵文字を選べます。絵文字に続いて、特殊記号や、「オリジナルの絵文字」一覧も表示されます。
絵文字の HTML エンティティを得るには Python を起動して、
```
>>> print(ord("🐑"))
```
とすれば、HTML エンティティの 10進の数値を得ることができます。しかし、絵文字には複数の Unicode 文字を組み合わせているものがあるので、次の for 文で 1文字づつ処理し、それらを連結して HTML エンティティを得るようにしました。次の Python スクリプトの emoji = "" に絵文字をペーストして実行して使います。
```
emoji = ""	
entity = ""
for emoji_part in emoji:
	charcode = str(ord(emoji_part))
	entity = entity + "&#" + charcode + ";"
html_entity = entity.replace("&", "&")
print(emoji)
print(html_entity)
```

【Chrome Linux でのファイル共有】9-18-2023

Chromebook では、設定→詳細設定→デベロッパー→Linux 開発環境とクリックするだけで、仮想領域で Linux コンテナを動かすことができます。導入される Linux は Debian ですので、`sudo apt install` でインストールすれば、CLI でも GUI でも多くのアプリを使うことができます。Python3 は最初から入っています。
ただし、Xfce などのデスクトップ環境は使えないので、フルスペックの Linux を使うには、別の方法を使わなくてはなりません。試してはみたのですが、そこまで面倒な思いをして Chromebook に入れる必要を感じませんでしたので、今は、Chromebook の電源を入れたらターミナルの｀penguin｀をクリックして、Linux コンテナを起動させています。
GUI アプリでは Fcitx5 と Mozc などを導入しないと日本語を入力できないのですが、ターミナルやブラウザ、ファイルマネージャでは Chromebook の日本語入力システムが動きますので、それで間に合わせることにしました。

自作ウェブ・アプリは ~/public_html/cgi-bin に置き、それを使うための http サーバーは、次の Python スクリプトで起動させています。

#!/usr/bin/python3
#
from http.server import HTTPServer, CGIHTTPRequestHandler
class Handler(CGIHTTPRequestHandler):
	cgi_directories = ["/cgi-bin"]
PORT = 8080
HOST = "127.0.0.1"
print("Connecting to http://127.0.0.1:8080/")
httpd = HTTPServer((HOST, PORT), Handler)
httpd.serve_forever()

ブラウザに http://localhost:8080/public_html/index.html へのブックマークを置き、それをクリックして、自作アプリを動かしています。

【exiftool を使った動画の解像度】9-25-2023

動画の解像度を調べるのに、簡単な方法はないだろうかと調べてみたら、exiftool に出会いました。これには Perl が必要です。Perl は Windows 以外の OS には最初から入っているので、Linux では問題なく使えます。これは、マルチメディア・ファイルのメタデータを表示、変更するもので、ffprobe よりも使い易いように思いました。次のようにして、解像度を得ました。
```
$ exiftool -T -ImageSize "Tucker on X.mp4"
```
結果は 1920x1080 でした。
次のスクリプトで、フォルダー内のファイルの解像度一覧を得ました。
```
for vfile in *; do
	if [ -f "$vfile" ]; then
		vsize=`exiftool -T -ImageSize "${vfile}"` 
		if [[ $vsize != "-" ]]; then
			echo "${vfile}" $vsize
		fi
	fi
done
```
mp4 の他、mkv や webm などのビデオファイル、また jpg や png などの画像ファイルからも画像サイズを得ることができました。また、オプションを -ImageHeight にして、それが 1080 であれば、HD 映像なので、1080 の代わりに HD と表示させることもできます。
上記のスクリプトで工夫したのは、ファイル名に空白が含まれていても大丈夫なように ${vfile} を "...." で囲んだことです。また、サブ・ディレクトリを除外するため if [ -f "$vfile" ]; then を加えました。映像・画像ファイルでない場合、画像サイズは - で返ってきますので、if [[ $vsize != "-" ]]; then 行を加えて、映像・画像ファイル名と解像度（画像サイズ）だけを表示するようにしました。

【exiftool を使った演奏時間一覧】10-2-2023

2023年5月29日の記事に、あるディレクトリーの mp3 ファイルの演奏時間一覧を表示するスクリプトを bash で書いたものを紹介しました。その時は mp3info を使ったのですが、それを exiftool に置き換えてみました。
```
  out=`exiftool -b -Duration ${fname}`
  out=${out%.*}
  min=$(($out / 60))
  sec=$(($out % 60))
  mp3name=`basename ${fname}`
  printf "%s %d:%02d\n" $mp3name $min $sec
```
mp3info と違って、exiftool で -b オプションを使うと、演奏時間を小数点以下4桁（ミリ秒）まで出力するので、out=${out%.*} を使って小数点以下を切り捨てました。
次に、-T オプションでを使って、H:MM:SS 形式での出力を表示するようにしました。
```
  out=`exiftool -T -Duration ${fname}`
  out=${out% *}
  mp3name=`basename ${fname}`
  printf "%s %s\n" $mp3name $out
```
out=${out% *} は、-T オプションでは (approx) が末尾についてくるので、それを削除するためのものです。
ところが、exiftool では可変長の mp3 ファイルの場合、正しい値を返してくれませんでした。mp3 の演奏時間プログラムには mp3info か ffprobe を使ったほうがよさそうです。

【<audio> タグで表示される演奏時間】10-9-2023

HTML の <audio> タグを使うと、簡単に「プレヤー」を設置できます。
```
<audio controls src="Oh_Susanna.mp3"></audio>
```
といった具合です。デフォルトのままだと、バーの幅が短いように感じたので、CSS を使って少し長くしてみました。ついでに角も丸めました。
```
audio { width: 400px; border-radius: 6px; }
```
CSS では「プレヤー」の細部までは変更できません。JS を使えばなんとかなるようですが、面倒なことはしたくなかったので、やめました。
「プレヤー」に表示される演奏時間は、exiftool を使ったのと同じように、ソースに可変長の mp3 ファイルを指定すると正しくないものが表示されます。<audio> タグを使う場合のソースは、固定長の mp3 ファイルを使う必要があることが分かりました。

【Xubuntu 23.10】10-16-2023

今年の Ubuntu 23.10 のリリースが10月12日と予告されていたので、その日にチェックしてみたら、インストラーの翻訳に「ヘイト・スピーチ」が含まれていたとかで、実際のリリースはその後になりました。Xubuntu の場合は、そうした問題がなかったようで、先週、デスクトップ版の ISO をダウンロードし、Balena Etcher でインストール用の USB ドライブを作り、2TB の SSD にクリーン・インストールしました。私は 2TB SSD を2つ持っており、クリーン・インストールの場合は、今まで使っていた SSD を取り外し、それ以前に使っていた SSD をつないでインストールしています。インストール後、今までつないでいた SSD から必要なデータや設定を新しい SSD にコピーして、今までと同じように使えるようにしています。
SSD は 2.5インチ SATAIII タイプで、最近の NVMe タイプではありませんが、いちいちマザーボートに取り付ける必要がないので、交換するのが簡単です。もっとも、私の PC は古く、NVMe M.2 SSD のインターフェースがありません。2.5インチ SSD はケースに入っているので扱いも楽ですし、USB 経由で接続すれば、簡単にバックアップを取ったり、バックアップしたものを戻したりできます。以前、 3.5インチ HDD と格闘していたころに比べ、ほんとうに楽です。
23.10 のインストールは今までと同じようにほとんどが自動で行われました。Windows のように何度も再起動し、時間がかかることなく、あっという間に、ハードウェアの設定までやってくれ、すべてのハードウェアは問題なく作動しました。それと、Windows のように、「押し売り」や不必要なアプリの「押し付け」がないのが、なによりです。もちろん、「登録」も要りませんからプライバシーも守ることができます。
インストール後、apache2 の設定をしましたが、cgi で Python をつかうのに、libapache2-mod-python をインストールして a2enmod を実行したりする必要がなく、すぐに Python を使うことができました。

うまくいかなったのは Zoom のインストールでした。次のようにしてインストールしようとしましたが、

$ wget https://zoom.us/client/latest/zoom_amd64.deb
$ sudo apt install ./zoom_amd64.deb

次のエラーメッセージが出ました。

パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています... 完了        
状態情報を読み取っています... 完了        
これらを直すためには 'apt --fix-broken install' を実行する必要があるかもしれません。
以下のパッケージには満たせない依存関係があります:
zoom : 依存: libgl1-mesa-glx しかし、インストールすることができません
　　　　依存: libegl1-mesa しかし、インストールすることができません
　　　　依存: libxcb-xtest0 しかし、インストールされていません
　　　　依存: libxcb-cursor0 しかし、インストールされていません
E: 未解決の依存関係です。'apt --fix-broken install' を実行してみてください (または解法を明示してください)。

それで、

$ sudo apt --fix-broken install

としてみましたが、インストールに失敗しました。Snap に `zoom-client` があったので、そちらをインストールしたら、Zoom が使えるようになりました。ただし、このバージョンでは、`Virtual background` を使うことができませんでした。私がダウンロードした Zoom のバージョンは `5.16.2(8828)` でした。バージョンアップによって問題が解決するかもしれません。

システムのインストール後、apt 経由で追加したのは、次の通りです。Firefox、Thunderbird、LibreOffice、Gimp、VLC などは最初から入っていました。

[Documents 文書]
pdfarranger … PDF の分割・結合 GUI 
pdftk … PDF の分割や結合など
sigil … ePub 作成 GUI
texlive-extra-utils … TeX 補助

[Graphics グラフィックス]
graphicsmagick … コマンドライン画像処理
gthumb … 画像閲覧  GUI

[Japanese 日本語]
fcitx5-mozc … 日本語入力と変換
fonts-ipafont … IPA 日本語フォント
ttf-mscorefonts-installer … MS 英語フォント

[Multi-media マルチメディア]
audacious … オーディオプレーヤー GUI
audacity … 録音アプリ GUI
lame … MP3 変換
mp3info … MP3 情報

[Network ネットワーク]
apache2 … ウェブサーバー
filezilla … FTP クライエント GUI

[System システム]
default-jre … JAVA 実行環境
gdebi-gtk … パッケージ・マネージャー GUI
hardinfo … システム情報 GUI
papirus-icon-theme … アイコン・テーマ
printer-drive-dymo … Dymo LabelWriter ドライバー
python-is-python3 … Python リンク作成
sqlite3 … データベース・プログラム
sqlitebrowser … SQLite データベース閲覧 GUI

[Tools ツール]
micro … ターミナルで作動するテキストエディター
notepadqq … プログラミング・テキストエディター GUI

ウェブページからファイルをダウンロードしてインストールしたのは、AppImage を含め次の通りです。

balenaEtcher-1.18.4-x64_55c91cd6bd9c5e76ba286c5536cca86d.AppImage … ディスクイメージ作成 GUI
glabels-qt … ラベル印刷 GUI
Go version 1.21.3 … プログラミング言語
marktext_e94cf48168e949ee60b95bed54505f33.AppImage … マークダウン文書エディター GUI

Snap からのインストールは次の通りです。apt などでインストールできないものや、インストールできても動かなかったものを snap でインストールしました。
```
foliate … ePub reader GUI
losslesscut … 動画の切り取りと結合 GUI
zoom-client … ZOOM ミーティング GUI
```

【Ubuntu 日本語 Remix】10-23-2023

Thinkpad T470s を手に入れました。型番は、PC 裏のラベルによると 20HG となっていました。CPU は第6世代の i5、メモリーは 8G、SSD は M.2 256G（ATA）、スクリーンは 14 インチ、タッチスクリーン対応 IPS で、予備バッテリーがあり、バッテリーは長く持ちそうです。裏蓋が開けやすいのは、内部を確かめられるので、ありがたいです。
最初 Xubuntu を入れたのですが、ノートブックの蓋を閉めてサスペンドモードにしたあと、蓋を開けてもとに戻すとき、不具合がありました。Xubuntu は、デスクトップにはいいのですが、ノートブックには完全には対応していないようでした。それで、はじめてのことですが、Ubuntu 日本語 Remix を入れてみました。これはノートブック用によく調節されていて、サスペンドモードと、そこからの回復も問題ありませんでした。
Perl、Python3 は最初から入っていて、プログラミングもできました。Python3 を使うのに `3` を省略して `python` だけでも使えるよう、`python-is-python3` を入れました。`go` も入れました。
Ubuntu ではデスクトップの「外観」を変えるオプションは、Xubuntu のように初めからついておらず、`gnome-tweak`、`gnome-shell-extensions`、`gnome-shell-extension-manager` などを入れる必要がありましたが、それを入れても、オプションは限られていました。Xubuntu のほうがより「ベーシック」で「ビギナー」向きだと思っていましたが、Ubuntgu のほうが、「Linux らしさ」を隠して、より「ビギナー」向けに設計されているように思いました。ドックを「下」にもってきて、「拡張」をオフにすると、まるで MAC のような「見た目」になりました。

【Windows Portable】10-30-2023

Rufus Portable を使えば Windows を USB Drive 内にインストールし、そこから起動できることが分かりました。256GB M.2 PCIe SSD を USB 3.2 Gen 2 エンクロージャーに入れたドライブを Windows PC につなぎ、まず、9月20日にアップデートされた Windows 11 の最新バージョン 22H2 の ISO をダウンロードし、それを選びました。次に Rufus Portable でタイプを `Windows Portable` に、ブート形式を `MBR` にしました。Thinkpad で使うつもりだったからです。その後表示されるパーソナライズのオプションにすべてチェックを入れて、USB Drive から起動したとき、ローカルアカウントで作業できるようにしました。
USB Drive への導入と、その後の起動はうまくいきました。古い世代の i5 を積んだ Tninkpad ですが、Windows 11 が使えることが分かりました。しかし、システム・アップデートや Powershell の使用でフリーズしてしまいました。我が家には Windows PC があり、Windows での作業が必要な場合はそれを使いますので、Windows Portable は出先でどうしても Windows を使わなければならない場合に必要になるかもしれませんが、そういうケースはまずないと思います。作ってはみましたが、今のところ、使い道は思い当りません。

【Firefox でのルビ表示】11-6-2023

HTML でルビを振るときには
```
ルビを<ruby><rb>振</rd><rt>ふ</rt></ruby>る
```
などとします。Chrome や Edge ではうまく表示されたのですが、Firefox ではルビとベースの文字の間隔が空きすぎてしまいました。
それで、CSS で調整することにしました。最初、
```
rt { transform:translateY(.5em); }
```
を試したのですがだめでした。それで
```
rt { position:relative;top:.5em; }
```
としたら、ちょうど良い位置に収まりました。
ただし、ルビを入れると、その分、行間が広がります。ルビの入った行だけ広がるのは見た目によくないので、全体の行間を CSS に
```
p { line-height: 2.5; }
```
と書いて広げました。line-height は 2 〜 2.5 が良さそうです。

【Windows 11 での Dymo LabelWriter Wireless】11-13-2023

Windows マシンを Windows 11 にアップグレードしてから、Dymo LabelWriter Wireless をワイヤレスで使えなくなりました。USB 接続なら使うことができるのですが、ワイヤレスで使うことができるように、手動設定を試みました。
まず、Settings→Bluetooth & devices→Printers & scanners→Add device の順でクリックしていくと、`The printer that I want isn't listed` とのメッセージが出るので、その右の `Add manually` をクリックしました。
続いて `Add a locl printer or network pinter with manual settings` を選び、`Create a new port:` の `Type of port:` に `Standard TCP/IP Port` を選びました。
ポート設定の `Hostname or IP address:` に、Dymo LabelWriter Wireless の裏のラベルにある `DYMOLWWxxxxxx` を記入しました。`xxxxxx` には、プリンターごとの固有の数字が入ります。Windows はホスト名を認識しませんでしたが、かまわずに次に進み、Dymo LabelWriter Wireless 用のドライブを選ぶと、プリンターが認識されました。

【Xubuntu 23.10 のその後】11-20-2023

Xubuntu 23.10 をインストールしてから1ヶ月経ちます。今までのところ、トラブルなく動いてくれています。以前、mouspad で、CTRL + C を使っての文字列コピーが時々できなかったことがあったのですが、これが修正されたのは、mousepad を良く使う私としてはありがたいことです。
それから、以前のバージョンでは ZOOM をインストールできませんでしたが、今回試した 5.16.6 (382) ではすんなりインストールでき Virtual Background も使えました。依存関係では以前と同じように libxcb-cursor0 と libxcb-xtest0 とが足らないとの警告が出たのですが、gdebi がそれらをインストールしてくれました。ZOOM のバージョン・アップの結果なのか、Ubuntu のアップデートの結果なのか、snap で zoom-client をインストールした結果なのか、理由は分かりません。
ネットワークや USB で接続しているプリンターなどのデバイスはほとんど自動で設定され、問題なく使うことができました。ただ、Dymo LabelWriter Wireless はまだ使えないでいます。これは、Dymo がドライバーを公開していないためで、Linux 側の問題ではないので、Dymo 社の対応を待つしかありませんが、Dymo 社はやる気がなさそうで、あまり期待できません。同様のプリンターは Brother からも出ており、Linux 用のドライバーを提供しているので、次に購入するときは、Brother の製品にしょうかと思っています。

【DYMO LWW を使う】11-27-2023

DYMO LabelWriter Wireless（LWW）を手元から使うため、メイン PC に Vmware Workstation Player 17 を入れ、Windows 10 を動かそうとしたのですが、Vmware から、カーネルモジュールの vmmon がないと叱られました。Vmware のバージョンや Ubuntu のカーネルバージョンが変わるたびに、Vmware は動かなくなるので、しばらく使っていませんでしたし、使う必要もあまりないので、Vmware の導入は見送りました。
DYMO LWW を使うために次に試したのは wine です。wine を使い易くした bottles なるものがあることを知りましたので、flatpak で導入しました。そして、Dymo LabelWriter のソフトウェア DLS8Setup8.7.4.exe をインストールしました。Dymo Printer Wizard を起動し、 DYMO LWW を追加プリンタの候補として表示させるところまでできたのですが、それから先は、残念ながらできませんでした。あと一歩というところまでだったので残念でした。
それで、最後の手段としたのが、リモートデスクトップクライアント Remmina を使って Window PC にアクセスし、DYMO LWW を使うという方法でした。remmina は apt で導入しました。Windows PC 側でリモート接続を可能にしおいてから、Windows PC の IP アドレスや Microsoft ID とパスワードを指定して、リモート接続をしました。無事にラベルをプリントできました。また、Remmina で開いている Windows PC 画面と Linux とで、相互にテキスト情報のコピー＆ペーストもできました。`Wake on Lan` を使えれば便利なのでしょうが、BIOS が対応していないので出来ませんでした。

【DYMO のアドレスブック】12-4-2023

DYMO ラベルプリンターはよくできた製品で、ラベルプリントのソフトウェアも悪くはないのですが、私の環境では、アドレスブックに CSV データをインポートしたとき、日本語を含むものは「文字化け」がありました。いったん xls 形式にすれば、日本語も大丈夫でしたが、これはソフトウェアの作り方が甘いと思いました。また、アドレスブックのインデックス表示を変えるためアドレスブックファイルを保存しようとしたら、エラーボックスがいくつも開いて、プログラムがフリーズしてしまいました。DYMO はソフトウェアを他社に委託しているようで、アップデートも遅く、まして、最近の機種の SDK が作られていないので、DYMO LabelWriter Wireless は Linux では使えない状況です。

それで、アドレスブックのファイルのひとつ、Sample.ABX を調べてみたら、xml ファイルになっており、次のような構造となっていました。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<AddressBook
  Version="8.0"
  DefaultPermutation="true"
  Format="Native">
  <AddressEntry>
		<AddressData>David Souza
6655 Peachtree Dunwoody Rd
Atlanta, GA 30328</AddressData>
		<Name>
		  <FirstName>David</FirstName>
		  <LastName>Souza</LastName>
		  <FileAs>Souza, David</FileAs>
		</Name>
	  </AddressEntry>
....
</AddressBook>

これに基づいて、CSV ファイルから ABX ファイルに直接変換するプログラムを Python で次のように書きました。

#!/usr/bin/python
#
# abookmaker.py
import csv, os, shutil, sys
if len(sys.argv) < 2:
	inpfile = input("Input File: ")
else:
	inpfile = sys.argv[1]
outfile = inpfile.replace(".csv", ".ABX")
if os.path.isfile(outfile):
	bakfile = outfile.replace(".ABX", ".ABX.BAK")
	shutil.copyfile(outfile, bakfile)
with open(outfile, "w") as out:
	out.write("""<?xml version="1.0" encoding=\"utf-8\"?>
<AddressBook
  Version=\"8.0\"
  DefaultPermutation=\"true\"
  Format=\"Native\">\n""")
	with open(inpfile) as inp:
		rows = csv.reader(inp)
		i = 0
		for row in rows:
			lastname  = row[0]
			firstname = row[1]
			address1  = row[2]
			address2  = row[3]
			firstname = firstname.replace("&", "&")
			out.write(f"""  <AddressEntry>
		<AddressData>{firstname} {lastname}
{address1}
{address2}</AddressData>
		<Name>
		  <FirstName>{firstname}<

Windows に Python を入れてあるので、Linux PC からのリモート操作でプログラムを動かし、アドレスブックをアップデートしました。

【Windows PC とのファイル共有】12-11-2023

Windows PC を Remina を使って操作できるようになりましたので、ファイルのやりとりもしたいと思い、Windows PC の「ファイル共有」をプライベート・モードで ON にしました。Settings → Network & internet → Advanced network settings → Advanced sharing settings → Private networks と、沢山クリックしてから、Network discovery を ON に、Set up network connected devices automatically にチェックを入れ、File and printer sharing を ON にしました。
Xubuntu では、ファイル・マネージャー Thunar のトップにある枠に smb://Host_Name と記入して、接続してみました。Host_Name には、Windows PC に割り当てた実際のホスト名をいれました。最初、接続まで少し時間がかかりましたが、一旦接続しあとは、そんなにストレスなく、メイン PC とファイルのやりとりができました。
「リモート接続するなら、Windows 11 PRO を使え」と言われていますが、Windows 用に買ったミニPC に PRO バージョンがついてきたのは幸いでした。Windows 11 PRO はアマゾンで OEM版でも $160 しますから、ほとんどミニ PCのほとんどの値段が OS に宛てられているようなものです。

【新しいメイン PC の組み立て】12-18-2023

今まで使ってきたメイン PC は 10年前に 700ドルで購入したもので、旧世代の省電力モデル CPU i7-4770S を搭載していました。ふだんの作業には不自由はないのですが、サンクスギヴィングのセールで部品を安く手に入れたので、新しいメイン PC を自作することにしました。予算は 500ドルでしたが、500ドルを少しオーバーしました。けれども、今までの PC に勝るスペックのものを、それよりも安く組み立てることができたので、自作して良かったと思っています。
CPU には Intel Core i5 12400 を選びました。マザーボードは、ASUS Prime B660M-A D4 の再生品が半額で出ていたので、それを選びました。これは、ビジネス用 PC などに使われている汎用マザーボードですが、私の用途には十分な性能を持っています。ATX より一回り小さい Micro ATX ですが、DIMM が 4つ、NVMe（Gen 4 x 4）が２つ、Display Port の他 HDMI が 2つ、PCIe が 4つ、USB 2.0 が 6つ、USB 3.2 Gen 1（5 Gbps）が 4つ、USB 3.2 Gen 2（10 Gbps）が 2つあります。おまけに WiFi5 と Bluetooth 5.1 もついていて、拡張性は抜群です。
このボードは DDR4 メモリーを使いますので、今までの DDR3 メモリーが使えなくなります。メモリーは DDR3、DDR4、DDR5 と仕様も物理的構造も違い、アップグレードのたびに買い替える必要があり、やっかいです。新しい PC のために Crucial 32GB 3200 MHz DDR4 Pro 16GB x 2 を買いました。32GB は普段の用途にはオーバースペックですが、動画編集などをする場合には必要になるかと思い、16GB との価格差もあまりなかったので、32GB にしました。今までが 8GB でしたので、一挙に 4倍になったわけです。NVMe は Crucial T500 2TB Gen4 NVMe M.2 にしました。
第12世代の Intel Core CPU は「長方形」をしており、それを、もとからある金具で固定すると、ごくわずかですが、CPU が反ってしまうのだそうです。すると、ヒートシンクとの接着が悪くなり、温度が十分に下がらないとのことでした。それを改善するのが、`CPU Contact Frame` で、Thermalright の製品を買いました。マザーボードの CPU 取り付け金具を外し、プレートとりかえました。
CPU にはリテール・クーラーがついてきましたが、それは使わずに、DeepCool の DK400 にしました。また、DeepCool DK400 にはサーマルグリスがついていましたが、それは拭き取って、MX-4 グリスを使いました。
DeepCool DK400 の取り付けのコツは、先に、メモリーや SSD を着けておくことです。あとからメモリーや SSD を着けようとすると、ヒートシンクが邪魔になります。ヒートシンクを取り付けるには、本体からファンを外しておく必要があります。そして、本体上部にある「dp」のロゴが下になるように（メモリー側から見て左になるように）します。そして、メモリー側にファンを着けます。こうすると、ファンからの風が本体に向かって流れ、ケース背面のファンがそれを拾って、外部に排出してくれ、ケース内の空気の流れがうまくいきます。ファンは、まず電源をマザーボードに差し込んでおいてから着けました。
当初は、手持ちのケースを使うつもりでしたが、DeepCool AK400 が大きすぎて、今までのケースには入らないことが分かり、新しく購入することになりました。新しいケースは DeepCool MACUBE 110 Micro ATX Case で、私が探した中では一番小さいものでしたが、それでも、今までの PC よりは一回り大きいものになりました。このケースは値段の割には、がっしりした製品で、側面はしっかりしたガラスで、マグネットで固定するようになっています。ファンなどを ARBG 対応のファンで光らせ、内部を見せて楽しむようになっているのですが、この PC は机の下に置くので、私の場合は、その楽しみはありません。でも、パネルを外さなくても中身が見えるのは、何かと便利です。
このケースでは電源は下部につけるようになっていました。電源を冷すファンはケースの下に向くようになるので、このケースの下部についている「脚」は頑丈で結構高さがあります。床からホコリをたくさん吸い込まないかと心配しています。吸い込み口にはフィルターがついているので、ときどき、これが汚れていないかチェックする必要がありそうです。電源には、ARESGAME AGW600 600W 80 PLUS を使いました。今回の PC の組み立ては SATA SSD を NMVe SSD に替えることが目標で、電源からのコードをマザーボードへの接続だけで済ませました。使わない他の電源からのケーブルはケースの電源格納部と背後に隠し、見た目もスッキリさせました。
新しいケースのおかげもあり、組み立てはとても順調でした。PC に Xubuntu 23.10 をインストールしてから、hardinfo で温度をチェックしました。室温 23℃ で、アイドリングと軽作業中は CPU コアの最高は 30℃、NVMe の温度が少し高くて、34℃ でした。少し重い作業でも CPU コアが瞬間的に 40℃ になる程度でした。Gen 4 の NVMe では 55〜65℃ にもなることがあるようですから、この温度なら問題なさそうです。室温が高くなったら、内部のエアフローを良くするため、ケースの前面にもファンを付ければよいかと思っています。WIFI を使うと、温度が 40℃ まで上がりました。私の場合、有線接続ですので、WIFI は使う必要がありません。マザーボードのピンか、BIOS の設定で WIFI カードへの給電を停止できないか調べてみましたが、どうやらできないようでした。
PC を始動してみて気づいたのは、このケースに電源ランプがないこと、HDD ランプはあっても NVMe と無関係なこと、PC をシャットダウンしても USB に通電していることなどでした。USB に通電しているのは、そこから電源を取る場合便利ですが、PC を使わないときは完全に電源を落としてしまいたかったので、UEFI 画面で「省エネ」モードに切り替えたら、電源が完全に切れるようになりました。ただし、WOL に対応するためでしょう、ネットワークカードには常に通電しており、ネットポートの LED はいつも光っています。このケースには電源ランプがないのですが、私のマウスは電源が入ると光るので、これが電源ランプの代わりをしてくれています。PC が机の下にありどうせ電源ランプは見えないので、これで良いと思っています。
HDD から SSD に換えたとき、PC の立ち上がりがすごく早くなったのを感じましたが、今回の SATA SSD から NVMe へのアップグレードで、PC の立ち上がりは、ほんの数秒でさらに早くなりました。Python で書いたプログラムも、処理がとても早くなりました。また、USB 3.2 Gen 2 経由でのファイル転送の高速化の恩恵も受けています。

【2023年の Linux ライフ】12-25-2023

今年の目標は「Go でウェブアプリ」でしたが、とりあえず「英和辞典」を作って、使っています。これからも少しづつ、作ってみたいと思っています。
Windows PC に最新の Windows 11 をクリーン・インストールしました。Winodws 10 よりも洗練されたインストーラーで、よく出来ていると思いました。ただ、マイクロソフト社からの「押し売り」が多いのは、閉口します。WSL を使おうとしましたが、私の PC では BIOS にVirtualization（VT-X）の設定項目がなかったので、それはできませんでした。
NAS を Synology から Qnap に替えました。4つのベイすべてにハードディスクを入れ、RAID を組み、データの保全を図りました。これを使って自宅 Web サーバーを構築しましたが、実用的に使うことができるようになりました。
今年手にいれた Thinkpad は中古品で、200ドル以下でしたが、タッチパネルもついていて、通常の使用には十分な性能があります。Thinkpad のキーボートは、他の製品にくらべ打ちやすく感じました。最近の機種にはないクリックボタンがとても便利で、キーボードから手を離さずに操作ができました。これらなマウスなしでも大丈夫だと思います。
そして、年末の大事業は新しいメイン PC の組み立てでした。必要な部品を集めながら、CPU からピンが消えていること、効率のよいヒートシンクがあること、NVMe Gen 4 x 4 の驚異的な速度、USB2 端子と USB3 端子の違いなど、いまさらのようですが、学ぶことができました。最近のハードウェアの知識について遅れを少しは取り戻せたかと思います。

Linux Memo 2023年7～12月分