Linux とインターネット

コンピュータを使っていて、インターネットに接続しないという人はほとんどないでしょう。コンピュータを買うのは、多くの場合、インターネットにアクセスするためでしょう。ですから、せっかく Linux を導入しても、インターネットにつながらなかったら、また、ウェブページの編集や、ダウンロードはもちろんのこと、アップロードができなければ、Linux も意味がなくなるのです。

ウィンドウズの場合、「オンデマンド・ダイヤル」と言って、たとえば、ウェブブラウザをたちあげると、自動的にダイアルアップしてくれる機能がついていますが、 Linux では、そのへんのところを手動でやらなければなりません。まず、ダイヤルアップを確立してから、ブラウザなり、E メール・クライエントなりを動かすのです。Linux はもともとネットワークのための OS なので、ダイアルアップについては、あまり親切ではありません。コンソールでダイアルアップもできるのですが、ここでは、Window Maker からダイアルアップする方法を紹介します。

  1. モデムを用意する。外付モデムなら設定なしで簡単です。内蔵モデムの場合は、Linux に対応したものが必要です。くわしくは、「Linux の内蔵モデム」をご覧ください。
  2. モデムに対してリンクをはる。Vine Linux の場合、メインメニュー>ユーティリティ>管理ツール>コントロールパネル>モデムの設定 で、モデムのつながっているポートを指定すれば簡単にできます。(注・コントロールパネルは、ユーザー側から起動した場合、root のパスワードを聞いてきますので、パスワードを用意する必要があります。)
  3. PPP接続を設定する。メインメニュー>ユーティリティ>ネットワーク>PPPの設定を選んで、qdial を起動します。このプログラムでは、まずは「標準設定」のページを設定します。プロバイダーにかける電話番号、ログイン名(通常は email アドレスの @ マーク以前)、パスワードなどを記入したら、次に「DNS設定」を開き、「ドメイン名」にダイヤルアップ・プロバイダの名前を入れます。「resolv.conf の書き換え」を YES にしておけば、自動的に DNS を入れてくれます。「詳細設定」はデフォルトのままで大丈夫です。「接続」ボタンを押して、モデムがダイアルをして接続できるかどうか確かめます。
  4. 設定を保存する。接続を保存しておくと、次回からは、qdial を使わなくてもダイアルアップ接続ができるようになります。qdial の「保存」を押して、設定を保存しておきます。
  5. PPPに接続する。qdial で設定を保存したら、ダイアルアップ接続には、メインメニュー>ユーティリティ>ネットワーク>PPP接続(tkppxp)を使って接続します。File > Load Configuration から、保存したファイル名を選んで接続します。Vine では最初から xppxpm がついてきます。このアイコンを編集して、qdial で設定し保存した設定ファイル名をいれてやると、アイコンをクリックして connect を押せば一発でダイアルアップができます。
  6. ユーザ設定をする。一般ユーザでダイアルアップを使うには、root で /usr/sbin/ppxpadduser <ユーザ名> としてユーザを登録しなければなりません。

ppxpadduser は VineLinux 独自のコマンドのようで、これがない場合は、

# /usr/sbin/usermod -G tty,uucp,USER USER
を試してみてください。

ネットワーク接続の場合は、Vine Linux の Gnome についてくる

# network-admin
を使って、IP アドレスや DNS を正しく設定すれば、ネットワークを通してインターネットにアクセスすることができます。

Vine には ブラウザに Mozilla、メールクライエントに Sylpheed がついてきますが、私はブラウザに Firefox、メールクライエントに Thunderbird を使っています。いずれも http://www.mozilla-japan.org からダウンロードできます。

w3m はテキストベースのインターネットブラウザですが、フレームバッファを使って画像も取り込むことができます。wget はインターネットからのダウンロードに重宝しますし、gFTP はとてもよくできた FTP プログラムです。HTTP サーバ apache もちょっとした設定だけですぐ使えます。Linux にはインストール直後からインターネットを活用できる機能が満載されています。

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