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内なる生活

     

「わたしたちは神の霊によって礼拝し、キリスト・イエスを誇りとし、肉に頼らないからです。」(フィリピ書3:3)

東方教会の有名な修道士、聖アントニウスは、ある時、アレキサンドリヤの一人の靴屋の夢を見た。この靴屋は天国において実は彼と同じ栄光を受けるように定められていた。そこでアントニウスは、その人が一体どんな人物なのか非常な関心を持って、アレキサンドリヤに出かけて行った。びっくりしたことは、この靴屋は自分の手で自分と家族のためにせっせと働く普通一般の人間であった。

アントニウスは彼に尋ねた。「ちょっとお尋ねしますが、あなたは何を食べ、何を飲み、どのように祈りますか。一晩中起きて祈っていますか。」これに対する答えは、「いいえ。何もそんなことはしていません。毎朝、毎晩、わたしは神さまが真実な配慮と守りをあたえてくださると信じています。またイエスさまを通してすべての罪のゆるしが与えられよう願っています。また聖霊さまがわたしを支配し、誘惑に陥らないよう熱心にお祈りします。そして仕事に励み、家族とわたしの家で働いています。心に反して何もしないことを心がける以外何もしていません。」

夢から覚めたアントニウスは、この時から、内なる生活に勝る優美な、神に喜ばれる価値ある生活は他にないことを知り、形式的な礼拝や、貧しい着物も粗食も断食も、徹夜の勤行もその他どんな業も、永遠の命を得るために何の役にも立たないことを悟ったのである。

だれでも人は新しい生き方をするために、まず外側の刷新から始める。「衣食足りて礼節を知る」と、外から内へという方法が通例である。しかし問題は外にあるのではなく、内に、つまり、私自身にあるのだ。主イエスは老練な律法学者であるニコデモに言われた。「人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。」(ヨハネ3:3)私どもがキリストに出会い、彼を救い主、主として心の中心にお迎えするところから、全く新しい「内なる生き方」が始まる!

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