目 次(9)

最新記事を見る

ホームにもどる

Philip の 続・ちょっといい話

不言実行

前回、イエスさまの母「マリヤ」のことを書きました。マリヤだけをとりあげて、イエスさまの養父ヨセフのことをとりあげないのは不公平だと思いますので、ヨセフについて書くことにしました。

聖書には、ヨセフのことばが一言も記録されていません。マリヤは天使のお告げを受けた時、「ほんとうに、私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように。」(ルカの福音書1:38)という有名なことばを残しており、また、「マリヤの賛歌」(ルカの福音書1:46-55)と言われる美しい歌も残しています。ヨセフもマリヤと同じように天使のお告げを受けていますが、ヨセフの天使のお告げに対する返事はどこにも書かれていません。しかし、「ヨセフは眠りからさめ、主の使いに命じられたとおりにして、その妻を迎え入れ、そして、子どもが生まれるまで彼女を知ることがなく、その子どもの名をイエスとつけた」(マタイの福音書1:24-25)のです。ヨセフはことばによってでなく、行動によって神のことばに答えています。

イエスさまがお生まれになって二ヶ月近くたってから、東方の博士たちがやってきて、「ユダヤの王」として生まれたイエスさまを礼拝しました。ところが、当時、金の力で「ユダヤの王」となっていたヘロデは、イエスさまを亡き者にしようと、イエスさまのおられたベツレヘムの町に兵士たちを送り込みました。そのことを天使から知らされたヨセフは、「立って、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトに立ちのき」ました(マタイの福音書2:14)。このときも、ヨセフのことばは記録されていませんが、ヨセフは、天使のお告げに、すぐさま聞き従い、幼子イエスさまと母マリヤを守っています。

このことはヨセフが「不言実行」の人だったことを物語っています。今日、そういう人が少なくなっただけにヨセフのような人は貴重です。リップサービスばかりが多い世の中で、愛と誠実の実体を示してくれるヨセフのような人が必要です。伝承によると、ヨセフは花や小鳥を愛する優しい性格の人だと言われていますが、聖書に見るヨセフは、ただ優しいだけでなく、静かではあっても決断力があり、勇気ある人でした。そしてそれらはすべて神を信じる信仰に裏打ちされたものでした。そしてそれがヨセフ、マリヤ、イエスの聖家族を守ったのです。

マリヤがすべての女性のモデルなら、ヨセフはすべての男性のモデルです。しかし、男性であってもマリヤの従順が必要なように、女性にもヨセフの決断力が必要です。私は今年、ヨセフにならって「不言実行」を心がけたいと思いますが、皆さんは、マリヤやヨセフから何を学びますか。聖家族に学ぶことによって、皆さんの家庭が聖家族の祝福にあずかるものとなりますように。

前の記事 ホーム 

[編集] [追加] [削除] [復元]